癌患者に「ガンバレ」は禁句!!

私の両親や夫もガンで亡くなり、私自身も血液癌になったので、癌の知識だけはやたらと詳しくなってしまった。
入院生活を経験すると、知り合いがお見舞いにやって来て、「大丈夫。きっとよくなる。ガンバレ!」と言って激励する。
私の担当医は必ず数回「ガンバレ」という言葉を使っていた。

能登の地震では、「ガンバル」とか「ガンバレ」という言葉が飛び交っているのを聞いていて、癌で入院を余儀なくされた家族のことを思いだしたのである。


癌が浸潤したり、固く根を張ってしまったりするのを、「癌が根を張る」という意味から「ガンバル」という言葉に共鳴してしまったらしい。
それで、癌にかかった人に対して「ガンバレ」とか、「ガンバル」という言葉は禁句だという事になったらしいが、身近に癌を患った人がいなくてこの禁句を知らない場合、励ましたつもりが逆に嫌な思いをさせる結果となるのである。

特に不思議だったのが、癌専門医のT先生がこの禁句を知らなかったと言うのに驚いた。やはり若いからなのか。しかし、いつの日にかこの禁句の存在を知った時、彼は一体何を思うのだろうか。彼は1日に何度ぐらいこの禁句を連発しながら患者の検診をしていたのか。

だからと言って今更恥をかかすようなことをT先生には言えない。何の因果関係もないダジャレの範疇でしかないこの禁句について、まじめな顔をして忠告するのはちょっと憚られる。何よりも言いにくいのは、この先生、クソ真面目で冗談が通じにくいという事である。

T先生は、今でも「ガンバレ」を連呼しながら頑張っているのかな。