香水「SASO(資生堂 沙棗)」の香りを表現

生まれつき嗅覚と聴覚が良かった私。おかげで雑踏が苦手。被害のほうが多かったが、良かったことは香道を習った時であった。

タバコを止める時に、代替えに始めた香道はいつの間にか香水へと広がっていった。そして、いつの間にか、香りの世界を描くようになったのである。

香水の中でも一番のお気に入りは、資生堂 ・ 沙棗 SASOオードパルファム 「香妃伝説の沙棗花の、甘く神秘的な香りが魅惑するフレグランス」であった。

オードパルファムは濃度が8~15%、持続時間は5~6時間で、オードトワレは濃度が5~8%、持続時間は3~4時間である。

資生堂 ・ 沙棗 SASOは、発売日1987/8/21で、現在は残念なことに販売終了商品である。

以下のサイトに詳しいことが書かれている。

【カイエデモード香水図鑑】公式2022年4月8日@cahiersdemodefr【美人香水100選】 第一夜 山口小夜子様 第五章 沙棗(SASO)/資生堂

〝君、徒(いたづら)に沙棗(さそう)の香りを身にまとうこと勿(なか)れ。〟のキャッチコピーが印象的であったが、香りはそれを超える驚きであった。

構成は以下のようになっているが、専門家でないのでよく分からない。

・トップノート:アルデハイド、フルーティノート、ヒヤシンス、グリーンノート、ベルガモット、アマルフィレモン

・ミドルノート:イランイラン、ジャスミン、オリスノート、ローズ、スズラン、ヴァイオレット

・ラストノート:ベチバー、シベット、ムスク、サンダルウッド、アンバー、ベンゾイン、トンカビーン、バニラ

資生堂のSASOの香りは、ディオールのプワゾンと似た香りと言われ、資生堂SASOは和製プワゾンと呼ばれたそうであるが、とても和のイメージには程遠いと感じた。

香水「 SASO (沙棗)」は、香妃が全身から発したという神秘の香りを求めて中国の西域に調査団を派遣し、香りの源と言われる「沙棗花」を採集・分析してできた香りだということである。

目に見えない香りを視覚化することほど楽しいことはない。ホログラムの箔は、まさに香りを表現するために存在するかのようであった。

香りと箔に取りつかれて、制作にのめり込んだ時期があった。その中でもこの「 SASO (沙棗)」には、てこづらされた。今でも、時々思い出しては、ああでもなかったこうでもなかったと悩む。

清朝・六代の乾隆は、西域に討伐中、その討伐相手の『準喝爾王・アムルサチの妃』が、

 “全身から芳香が立ち昇るという美女”である事を聞きつけ、興味を持ってしまい、心を奪われたのである。”肖像画が残っているが正にそのイメージにぴったりの姿である。

 一方、香妃の方はというと、夫を亡き者にした征服者である帝に、憎しみのみを抱き、あまつさえ、帝に殺意を見せ、常に懐刀を肌身から離さなかった・・・。それ故、帝の母である皇太后は、清朝の危機である事を憂い、密かに香妃を召し、夫に殉じる事を勧め、自決させたということである。

砂漠に咲く沙棗花(さそうか)の香りの実物は一体どんなものかと想像しながら描いた絵は、何年も経った今では、これ以外には、表現できそうにないと思うようになった。

沙棗花(さそうか)に似た香りとして勝手に考えているのは、沈丁花の花の香りである。花の香りは花粉なんかと混ざり合って再現できないような複雑な芳香をを放っているようである。ホログラムの七色に光る箔は、この複雑な芳香と共鳴しているように思えてならない。

私自身は香水を肌につけることはない。ひたすら香水の香りをきくだけである。それ故、資生堂が販売した沙棗の香り玉は、今でも重宝している。不思議なことに香水一滴で香りが消えることがない沙棗の香り玉である。

この香り玉を見て他の香水の物も作って楽しんでいる。一人でクンクンやっている。