「地上げ屋と言うと一昔前の暴力的な手段に訴えて追い出すというイメージであるが今ではこのような地上げ屋はいない。現在では底地(借地権付の土地)専門業者とか仲介業者と言って、ビジネスライクに法を侵さず営業を行っている。一見胡散臭さはない場合が多い。
地上げ屋とは、大手デベロッパーの依頼で地上権や借地権などが絡んだ問題の多い土地や建物の権利者から土地売買契約や立退き契約を取り付ける不動産ブローカーのことである。」と、検索結果をまとめるとこの様になる。
生まれて初めて地上げ屋の営業マンとあったわけで、NET検索の情報がなかったらかなり不安であったと思う。


デベロッパーとは、開発業者のことで、大手になればなるほどそのブランドイメージを大切にするので自ら汚れ仕事はせず、仲介業者に依頼するのである。


仲介業者は問題を抱えた不動産を安く買いたたき、デベロッパーに利益を上乗せして売るのである。この過程に暴力も違法性も存在しない。グレーゾーンになる部分に関しては知らなかったことにする。
今回仲介業者は、地主との契約書のテンプレートを見せてくれたけれど、詳しい細目はなくトラブルが起こった時は言った言わないで済ますらしい。私の場合、地上げ屋は建物の持ち主に連絡が取れなかったので空家条例に則って解体作業を進めたということにしたらしい。


例え、解体作業の途中で家主に見つかったとしても、地上げ屋にとっては地主とさらなる値下げ交渉が出来るわけで痛くも痒くもない。問題なのは、仲介の地上げ屋を介さず家主と地主が直接交渉することである。地主と家主には相手がいかに手強い輩であるかを強調するのである。
今回も私たちが直接地主に会って喧嘩されるとなる話もならないと強調していた。


地主の方には早く売りたい事情が近所の聞き込みからわかったのである。地主のおばあさんは子供たちから急かされ終活の一環として持っている土地の処分を急いだようである。相続税の物納は煩雑であり、安倍政権になってから相続控除も少なくなったのがその1要因でもあったと思われる。土地は隠せないが現金は隠せるからかと疑ったりする私。
もちろん私の父との問題もあった。この土地に地上権のあることなどは地上げ屋には話していない。地上権の成立する土地であれば地価は半減もしくはそれ以上も下がる。地上げ屋にとってますます安く買い叩くことが出来る。どの様になっても地上げ屋は利益を上げることが出来る。


地上げ屋にとって大切なのは以前からの御得意様の買い主だけである。今回の解体作業をしていた業者は買い主のデベロッパーが指し向けたとのことである。


周りにあった家はすでに解体されて随分前から駐車場になっていたのが、去年の暮からその駐車場の看板も無くなっていた。きっと我が家を黙って解体し、法務局に滅失登記をして早晩新しく建物を建てるつもりだったのであろう。いままでも、仲介愚者はこんなことは朝飯前でやっていても、刑事事件とは扱われないで民事裁判で終わっていたのであろう。一応法に則ってやろうとしていたといえば刑事事件とはならないし、警察の方でも時間ばかりかかって証明しにくい建築や不動産の事件は民事に任せるという方針をとっている。


この仲介業者から渡された名刺を見ると仲介業のほかマンションやアパート経営もやっていると書かれていたがNETで調べてみると普通では入居を断るような人を対象とした集合賃貸物件ばかりである。要するに社会的に面倒なものばかりを扱うプロの業者なのである。
ここまで調べが付くと、こんなプロを相手に交渉をするのだと思うとため息が出てくるし、警察が嫌がった理由もうなずける。

2010年以降の地方自治体による空き家対策や条例が再び地上げ屋の暗躍を促しているようである。
地上げ屋にとって地方自治体ですら上得意になっている現状があるのではないか。

普通、弁護士ですら刑事事件は嫌がるが、我が家の弁護士は元検事だっただけに正義感が強くどんな事があっても警察に告訴状は受け取らすと息巻いている。
がんばれ「ヤメ検」弁護士!GO!GO!・・・・ちょっと失礼なような気がする。・・・・よろしくお願いいたします、弁護士様。あなただけが頼りです。