レジンのアクセサリーを作る紫外線硬化ランプにウィルスを死滅させる殺菌効果はあるのかと尋ねられた。
安倍首相を見習って丁寧に説明することにした。


紫外線硬化ランプをこの箱では「UVライト」と書かれている。UVはウルトラバイオレットの略で、紫外線のこと。
紫外線は可視光線よりも波長が短い光のことであり、約100~400nmの波長域を持つ電磁波である。

100~280nmの「短波長(UV-C)」、280~315nmの「中波長(UV-B)」、315~400nmの「長波長(UV-A)」の3種類に分類される。


レジン(光硬化樹脂)は、主に波長 250~400nm の紫外線領域の光エネルギーを吸収して硬化する。

同じ量の光に含まれるエネルギーは、254nm紫外線:365nm紫外線=約3:2の比になるが、
254nm紫外線は、2ミクロンの厚みで40%、4ミクロンの厚みで20%しか紫外線樹脂の内部まで到達せず、365nm紫外線は12ミクロン厚でも90%以上が浸透するので、一般に光硬化ランプ(UVライト)は365nmの波長の紫外線を採用している。

ウィルスを殺す紫外線の波長は254nmである。


アクセサリーのレジンのUVライトのは、ほとんどの人がこのタイプを使っている。
外箱のどこを見ても波長が書かれていない。


本体の側面に書かれていたのはこの注意書きだけである。


ここが、樹脂を塗ったアクセサリーを入れる部分。


奥を覗くとランプが4灯付いているのが見える。


ランプを一本抜いてみる。この時点で殺菌用のライトではないことがわかる。殺菌用ライトはガラスが透明な石英ガラスを使っているからである。


それでもこのタイプの2ピンのU字管の殺菌ライトと取り替えればウィルス殺菌ボックスになるはずである。しかし、NET通販で探してみたが、それらしい交換ライトはなかった。残念。


よく見ると、口金の部分に波長が書かれていた。「UV-9W-365nm」と書いてある。殺菌ライトの波長は253.7nmであるから、レジン用のUVライト(365nm)ではウィルスの殺菌は無理である。太陽光は、いろんな波長の光があるので、太陽光殺菌の方が時間はかかるが効果的である。

水虫治療機の紫外線波長は254nmであるから、ウィルスを死滅させることができるはずである。ただ、ウィルスまでの距離とワット数によって死滅するまでの時間が変わってくるのでよく調べてからにしたほうが良い。

又、ウィルの種類によっても殺傷できる紫外線の波長が少しずつ違うということなので、よく調べるべきである。
新型コロナウィルスを殺菌する紫外線波長の発表はまだないように思う。