スケルトン(9)
「何、なに?一体何を訊きたいんじゃ?
フムフム・・・ここはどこか?
おぬし達はタワケか。ここは、死後の世界に決まっとるじゃないか。
ナヌ?証拠を知りたいとな。
お前達、タワケども、よーく聞け。ここが死後の世界だという証拠はだな、ここで死んだ奴は無いって事じゃ。・・・・・何?消えていなくなる人がいるって。それは、・・・どこぞへ行っただけじゃ。・・・・・ん?帰ってこないとな。それが死んだことになるんか。たわけ。
そもそも、おぬし達は、この死後の世界と前世との違いが全く解っとらん。おぬし達の立っとる所を、地面だと思っとるんじゃろ。穴掘ってみろや。さーさー・・・さっさと掘れ。たわけめ。
どうじゃ、掘れんじゃろ。次は、おぬしの腕を、折ってみろ。え?痛いか?たわけ。ぐだぐだ言わんとさっさとやれ。・・・・ほーら、折れんじゃろ。痛いなんてことは、無いんだよ。前世の習慣から抜けだせんだけじゃ。見えてもいないのに、見えているつもりなんじゃ。感じているつもりなんじゃ。ん?・・・・この身体は、何じゃとな。骨に決まっとる。だが、実態の無い骨じゃ。わしの手を見ろ。すごい骨じゃろ。生前からのものじゃあない。ここへ来てから、意思の鍛錬でこの様に逞しい骨になったんじゃ。・・・・教えてくれとな。たわけ。タワケ。タワーケどもめが。ここが何処かも解らん輩が何を言っとるか。・・・・・ん?わしの話が、イマイチ分からんと。あーあ、何と嘆かわしい輩じゃ。
そうじゃ、向こうの方に、緑がかったところじゃ。一人ぽつねんと寝ころがっとる奴がいるじゃろ。あやつの所へ行って訊け。あやつなら、とろいおぬし達にも解るように何とか説明してくれるじゃろ。わしには、とうていできん。さーさ、早く行け。」