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自宅を建てるときは、夫が工務店に対応していたので、私は間取りやインテリアの部分のみに関与していたので、家をゼロから建てるとなると、困ってしまった。知り合いに建築家がいるにはいるが、駄目なときに断りにくいのでやめた。そうなると、行き着くところは、住宅展示場である。

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若かった頃、建てる予定もお金もないのによく見て回ったものである。やっと30年ほど経って、注文住宅を建てることが出来るので嬉しかった。ここなら間違いないと思ったのである。

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とにかく頑丈な建物を希望していたので、RC工法か、鉄骨造りかと言うことになるが、自宅と同じ工法の方がよく分かるからと言うだけの理由で鉄骨造り選んだ。この広い住宅展示場でも鉄骨造りの建物はそれほど多くなかった。この時の私の選択もいい加減と言えば言える。木造は燃えるから駄目という思い込みである。重量鉄骨でも火事になれば使い物にはならない。帰って中途半端な保険金しか出ないと言うことである。昔、中島らもが、建築会社の依頼で重量鉄骨造のキャッチコピーを作ったそうである。「火事になっても骨残る。」勿論、却下されたらしい。火事で残った骨は、高温にさらされて使い物にはならない。しかし、そのときは知らなかった。

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結局、旭化成のヘーベルハウスに決定した。軽量鉄骨造である。1階建なので、これで良いと思った。大手の建築会社は、分業のせいか、総てが早い。1週間ごとに打合せしては、次から次へと設計図を書き換えて持ってくる。決まったことはその場でカーボン紙に写し確認を取って置いていく。後で、言った言わないのトラブルを避けるためである。しかし、何よりもまず、敷地の確認と、地盤調査をするという事で、10万円を払って、スウエーデンサウンディング法による、地盤調査をして貰った。その結果、思っていた以上に地盤が良くないと言うことで、地盤改良の上、ベタ基礎ということになった。

仮契約直前までにいったが、天井高が、どうしても3メートルにはならなくて、仕方なく他の業者を探すことになった。規格のサイズでは私の希望する建物は建てることが出来ないと分かる。これ以降、地盤調査の結果は必ず、業者にコピーして渡し、「地盤改良してベタ基礎」を連呼した。

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上記の工程表はヘーベルハウスが作った建物が完成して引き渡すまでのタイムラインである。メーカー決定の契約は、昔で言う仮契約。変更契約というのが本契約。上記のスケジュール表はもっとはっきりと書く必要があるのではないか。それ以前に各社の言葉を統一してほしい。とにかく、仮契約直前迄であったので、この後実際にはどう言う順序で進行しなければならないのか知らなかった。

本契約までに、総ての細目に渡って決めておかなければならない。契約後に細目を決める等と言うのは、以ての外。絶対してはならない。私は、この工程をよく理解していなかったために、後日大変なことになるのである。今なら、どのような順序で本契約まで持って行くのかよく分かる。

敷地確認→地盤調査(SS検査)→基本設計→見積書→業者決定(仮契約)→(ボーリング調査)→実施設計→明細見積書→重要事項説明書→契約書見本を弁護士に見て貰う。→本契約書→確認申請書の委任状(印鑑を渡してはいけない)→確認申請(出来れば内容を建築家に見て貰う)→引き取り検査(建築家に見て貰う)→建物の引き取り→残金精算→登記手続き

この工程をこのように進行していれば、総てのトラブルは起きなかった。または、設計、施工、監理を分けておけば一番良いのである。設計施工監理を同一の業者がやれば、猫に鰹節の番をさせるようなものである。

私は建築業者から見れば、正に良い鴨だったに違いない。夫を亡くした建築音痴の老女ということだった。(救急車では、50才代以上の女性は老女である)