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身 内が家を建てることになった。今まで、私は散々建築トラブルを抱え込む羽目になり、建築関係の本を読みあさっていたので、相談を持ちかけられた。そこで、 一部始終をブログに書いても良いという条件で、最後まで付き合うことになった。内心、どきどきではあるが、こんな機会はまたとないので、記録を兼ねて出来る限りのアドバイスをすることになった。個人情報は、勿論書かない。

まず、工務店選びから始まった。
例によって、住宅展示場へ行って大手の建築会社に相談。一日仕事であった。
その結果、もの見事に断られてしまった。

理由は、「現場が商店街の中にあって機材が入らないので、地盤改良が出来ない。このあたりは、地盤が弱いので地盤改良しなくてはならないが機材が入らない。 最低3meterから4meterの深さまで地盤改良しなくてはならないが、手で掘ることは出来ない。我が社の方針では、基礎の等級が3をクリアー出来ない場合は引き受けないことになっている。建物自体の施工にあったても、手運びになり、コスト高になる。この物件の場合は、地元の小回りのきく工務店に依頼 した方が良い。」と言うことだった。もっともである。納得した。
で、「小回りのきく工務店」の意味を色々聞いたが、ハッキリ理解できない。とにかく、最低限をクリアーできるという意味であるらしい。仕方が無いのでその「小回りのきく工務店」に当たってみることにした。

元々、 この土地は、建築条件付きであったのを、無理を言って土地だけを買ったという経緯がある。そこで、元の建築業者に会ってみることにした。5月23日2時に 指定された場所に行った。そこには、設計の会社の人と、資材の手配する会社の人と、「建築条件作付土地」を売り出した会社の社長(A)がいた。実際に施工する業者は又別に居るという。施主はAと契約すると言うことである。こんなに多くの窓口があったら、さぞかし、トラブったら、大変だろうなぁ。今から思いやられる。
建築は、クレイム産業と言われるくらいだから、きっと、そんなものは慣れ親しんでおられるのだろう。あの手この手奥の手等々。

まず、一級建築士の設計が、「どんな建物を建てたいか」を聞いてきたが、「商店街の中のことで、制約内でどのような建物が建つのか」を尋ねた。強度のための壁のことや高さのことを教えて貰って、次回までにアウトラインを決めてくることになった。設計費は別に払ってもらうということだった。

次に、建物完了までの行程を尋ねた。Aが、言った通りに書く。
「図面→図面の精査→見積もり→契約書→建築確認申請→地盤調査→地盤改良→着工(請負代金の20%)→基礎→施工→完成→引き渡し(残金80%)」

こんな行程、初めて聞いた。「確認申請を出してから、地盤調査して何になるのだろうか。」と問いただしたら、「こんなものは全部同時にやるから心配せんでええ。」とA社長は説明した。「うちにはうちのやり方がある。」とも。

「基本設計と実施設計はどこに位置するのか」という問いに、「そんな言葉は聞いたことがない。」と言うのが、3人の答え。
「重要事項説明は何時されるのか」という問いに対して、「そんなもの無い。それは、不動産売買の宅建のみ。」と3人は答える。こちらから説明すると、設計は席を外した。Aは、建築においては重要事項説明なんてものは無いと言い張る。国交省のお達しもまるで無視。

「地盤調査の結果、地盤改良や基礎が、最終見積もり通りでなかった場合、はどうするのか。」とい問いに対して、「追加料金を頂く。」と言う答え。予算を超えるのは当たり前で、おつりが帰ってくるという選択はないらしい。言うままに契約して、家が完成した暁には、いかほどの追加料金を請求されるのかと思うと空恐ろしい。

最後に、「監理者」は誰になるのかと聞いたところ、「管理」はAだと答える。「タケカンの管理」ではなく、「サラカンの監理」の子だと説明して、「契約書の監理者は誰の名前を書くのですか。」と訊くと、「うちらは、契約書にそんなモン書かへん。」と言う返事である。そこで、「監理者がいないのなら、こちらで雇う。」と言うと、Aは「こちらの遣り方で施工出来ないのなら、他所でやってくれ。」と居直る。余程、他から監理者を連れてこられると困るような施工の数々を予定しているのかな?

余りにも悪質業者丸出しの発言に驚くと同時に、私自身が、建築被害に遭ったときとほぼ同じだったので、この次には、「お互いの信頼関係」という言葉を連呼するのかなと思ったので、色々なだめて、SS試験だけでも先にやってほしいと言うと、すったもんだの挙げ句に、承知した。

そして、案の定、帰り際に、Aの言葉、「家を建てると言うことは、お互いの信頼関係が大切ですからねー。」

施主は、この間無言。後での感想は、「何か何だか全く分からない。」だった。私も、理解に苦しむが、以前はこんなものだった。お陰で、今、民事訴訟の真っ最中である。

帰ってから、A社は問題外なので、市内の大手の工務店(B)と、小さな工務店(C)に予約を取った。選んだ基準は、アフターケアーが良いと評判の大手工務店(B)と、仕事場の整理の良い小さな工務店(C)である。