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骨董屋さんで見つけた男持ちの30間(骨の数)のお扇子。利休鼠の地塗りに右上と左下に銀泥のぼかし塗り。今では、銀が焼けて金色っぽく、又は黒っぽくなっている。要(かなめ)は、紫の糸通し。親骨は焦げ茶で、中骨は濃き紫。親骨を持って一振りすれば、シャランと開け閉めが出来る。その音が何とも言えない。

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お扇子を折り畳んだ折り山には、朱色の漆塗り。それ故か、折り山は今でもさほど傷んでいない。

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そして、扇骨の薄さ。一番細いところでは5ミリ以下。この薄くて細い扇骨こそが、日本の扇の繊細さである。その昔、京都の5条あたりに、多くの扇職人さん達が、技を競って、お扇子を作っておられた頃の一品であろう。その頃の扇骨は、最後の仕上げは手で磨いたものだという話を聞いた。

扇は、日本の文化の要である。日本文化あるところ、何時も扇が存在する。主役ではないが。