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これらのの扇面がどうして切箔の最高傑作かというと、箔の上に箔を重ねたのではなく、箔は一重である。地紙に塗布した膠とふのりが乾かないうちに切箔を置き、その上に大きな箔を置く。箔の上を柔らかい刷毛(この場合は仏師刷毛)でそっと均一に押し付けたあと、二重になっている上の箔を取り除く。一気呵成に素早くしなければならない。地紙に膠とふのりを混ぜたものを塗り、一度乾かしてから厚手の紙に挟んで濡れたバスタオルで巻いて一昼夜おいた後、膠とふのりが膨張したところで箔を貼るのである。これは言葉でいくら書いてもよくわからないと思う。

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黄緑色の部分はあとから着色しただけで、地は銀箔である。中央部分は純金箔の小石と野毛を芦屋って地は焼箔を押している。今まで切箔を施してあるものを沢山見てきたが、紙にこのような処置をしたものは見たことがないので、「切箔の最高傑作」と自画自賛しているのである。野毛や小石はあまりに細かく切ると効果が薄れると教えられた。

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これは、銀地に純金箔の小石と野毛を置き、部分地に焼箔をあしらってある。黄色く見えている部分は、顔料を上から塗布したからである。これらの扇面に絵を書こうとしたが、勿体無くてそのまま保存していたのが、今回のブログに書こうと思って陽の目を見たのである。感無量!