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箔を網のついた筒で砕いて均一にまき散らしたものが、いわゆる「砂子」(すなご)と呼ばれる技法である。

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砂のように均一に撒くのも、結構難しいものである。

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一見、均一そうに見えても、よく見るとムラがあるのが分かる。それが手作業の味でもある。

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この砂子(すなご)は、天ぼかしになっている。

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かなり荒い目の網で銀箔の切廻しを撒いている。

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ところが、この砂子は、とても綺麗に箔が撒かれて見える。

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表は、秋草の図柄。一見、バックはもみ箔の地のように見えるが、よく見るとアルミ蒸着の転写である。もみ箔もどきの大量生産技法であり、京都のお土産である。

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もう一度裏の砂子をよく見たい。砂子をこのようにまばらに、且つ、均一に撒くことは出来ない。等間隔に撒かれている砂子の箔は不自然である。

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即ち、これもシルクスクリーンで箔ノリを置き、アルミ蒸着の熱転写をしたものである。もっとよく見ればシルクスクリーンの目の跡が見える。砂子のように見せた「砂子もどき」である。職人技と大量生産の見分けることが出来ない人が増えるに従って、味のある職人技は消えていく。安っぽいものが増えていく。「野毛」、「小石」、「砂子」と言った技法は、日本独自の繊細な表現である。後世に残したい技法ではあるが、これらの技法を一人で撮影することは非常に難しい。しかし何とかしなくてはならない。私一人でできることには限界があるが、私にしか出来ない事もあるはず。