「愛着障害」を読んで
かなり以前、テレビで愛着障害について触れていた。その時、早速本だけは買っておいたが、読む機会をのがしてしまって、今日に至ったが、兎に角読んでみた。
子供が精神的に親から自立して、社会に適応しより良い人間関係を築くことは、思いの外大変な道のりである。
本書は、精神的発達がうまくいかないのは、もっと根源的なところで、心の本質的安定を得ることができなかったからだと論じる。
いろんな有名な人の例を上げて、わかりやすく説明している。
国内では、川端康成、夏目漱石、太宰治、中原中也、種田山頭火。
国外では、オバマ大統領、ビル・クリントン、ヘミングウェイ、ウィニコット、エリクソン、ジャン・ジュネ、スティーブ・ジョブス。
愛着スタイルを、4つに分けて、説明している。
1・安定型愛着スタイル
2・回避型愛着スタイル
3・不安定型愛着スタイル
4・恐れ・回避型愛着スタイル
愛着障害を克服ためには、安全基地を持つこと。遊びを通じて昇華。傷ついた体験を語り尽くす。等など。
この最終章が、今まで言い尽くされた内容と同じ様に思う。一つだけ違うのは、自分が自分の親になるという事例である。なるほどと思った。
終生、安全基地を求め続けるのが人の業かもしれない。無条件に愛情を注いでくれる人の代わりに、モノや仕事とかに安全基地を求めるのも悲劇である。最悪は、依存症の高い基地に嵌り込む場合であろう。
親業の難しさを改めて思い知った。