近くの魚屋で見つけたアブラボウズの刺し身。高いのでいつもはスルーしてきたが、今回は息子が買ってくれたので、初めて食べる運びとなった。

アブラボウズというからには、アブラが乗った魚だというのは分かるがなにゆえ坊主なのかというと皮をむくとその下は真っ白な脂肪で覆われているのでこの名が着いたらしい。

アブラボウズ – Wikipedia


超高級魚クエに似ていることから、クエ偽装事件まで起こるが、クエはあっさりした白身の魚であるのに対して、一方アブラボウズは脂肪の乗った甘みのある白身の魚で、40%が脂肪と言われるぐらいなので、脂質分解酵素の少ない人は下痢をしたりするので、一部の地方自治体では、腹身を含む部位を1食につき刺身で60g以上・焼き身で120g以上食さないように、との行政指導を出していたという。


アブラボウズは、熊野灘から北の太平洋側に生息する海水魚で、水深400メートル以上の深場の岩礁域にすんでいるカサゴ目ギンダラ科の魚である。日本海側にはほとんどいない。


脂質は全体にわたっているが、特に頭・腹部に多い。アブラボウズの脂は不飽和オレイン酸の一種グリセリド。良質の植物油に近いので、余程大量に食べない限り食用として問題はない。

包丁で切っていると、刃の両側に脂肪がねっとり絡みつくようについてくる。白身魚のトロと言われる所以を実感した。


身はきれいな桜色。匂いはほとんどしない。


わさび醤油で頂いたが、まさにトロである。白身のトロえある。平目(ヒラメ)の刺身に脂が乗った様な食感である。鮪(マグロ)のトロほどアブラっぽくはないので食べやすい。この魚を煮付けや焼物にするのはもったいない。このアブラボウズは刺し身が一番だと思う。この値段は決して高くはないことは、食べて初めて知った。

旬は、秋から春にかけてなので、今は旬である。アブラボウズは100キロ近くにもなる大型魚であるが、10キロぐらいのものが美味しいそうである。私が食べたのも、10キロぐらいのアブラボウズであった。