猫は人間とは異なり一夫一婦制で家族を作って暮らしたりはしない。子育てにはオスは全く関与しない。家猫の場合だと10年以上の寿命であるが、野良猫の場合は3~5年の寿命である。


近くのコンビニに住み着いている野良猫が2匹いる。一匹はこのシマネコで、人懐っこい。


ただこの冬は過酷だったのか、毛並みが非常に悪い。


耳先はカットされているので避妊手術をうけているようである。


コンビニに出入りする人達が餌をやっているようである。コンビニの前に細い溝がありそれほど上質とは言えないが水も流れている。

一般に野良猫の生活は過酷である。餌の少ない冬場を越すのが大変である。又、病気になってもい者に連れて行ってもらえるわけではないので、人目につきにくい安全なところで体を休める他に方法はない。そのまましに至ることも少ない。子猫の場合は、カラスなどの標的になったり慣れない車に惹かれたりもする。

都会の野良猫はまだ人から餌をもらったりゴミアサリをすることが出来るが、郊外の野良猫は餌場のテリトリー問題から単独行動をするオス猫も多い。メス猫の場合は、距離を保ちつつ集団生活をする事もできる。


この茶色のシマネコと共に灰色のシマネコも居る。


こちらのグレー猫は非常に警戒心が強く人には寄り付かない。人間から手酷い扱いをうけたのかもしれない。


しかし、このグレー猫のほうが毛並みもよく体調も良さそうである。この猫も避妊手術をうけている。


基本的には猫の本能は単独行動であり、孤独に強いとされている。


しかし、街なかに住む野良猫の場合は、餌が比較的豊富であるから、本能が薄れ集団で生活することに適応しているようである。


近頃、夜になるとどこかで猫の鳴き声が聞こえてくる。猫の繁殖期に入っているのだ。

猫の繁殖は、一夫一婦制でも一夫多妻制でもなく、乱婚型の雌雄単独で行うために出会いの確率が低い。そこで確率を高めるために、交尾排卵と言って交尾刺激があってすぐに排卵するシステムになっている。野良猫のオスは繁殖期になるとテリトリー争いが過激になるがメス猫はその点では寛大であるそうな。

避妊手術をうけたオス猫はかなり野性味を失うらしい。その代り生きやすくなるとも言える。野良猫を捕まえて避妊手術をうけさせるのはかなり難しそうである。避妊手術を受けていない野良猫は非常に警戒心が強く人間が近くにいると餌にも寄ってこない。かなり長期間に渡って信頼性を築かなくてはならないようである。

飼い猫と野良猫の差は、人間社会に例えるなら、平和で豊かな国に住む人と戦時下の避難民の違いぐらいある。野良猫の場合、子猫の時点で大部分は亡くなってしまう。後は水の汚染や残飯の塩分過多、わざとばらまかれた毒の餌、交通事故などで成猫も健康を維持することは難しい。悲惨な野良猫をなくすためには、避妊手術を施すことしか方法がない。