地震から2周間も経ったのにまだ家の中は片付かない。7月2日は私の誕生日。地震で誰も忘れていたのに、覚えていてくれた人がいた。それだけで嬉しかった。しかし、切り花は何周間も保たない。まさに、「花の命が短くて・・」である。

そこで、花たちに永遠の命を与えるべくデジカメで撮影を始める。息子は横手でサッカーの試合を見ていた。7月3日午前3時からはベルギーと日本のベスト8をかけての試合であった。


色んな自作の絵を花のバックにとっかえひっかえ試してみる。このブルーと赤の絵は今までバックに使ったことがなかったが、まるで頂いた花たちのために描かれたようである。


バックの絵に溶け込んで花と一体になっている。写真を撮っている間に自分の気持が花たちとレゾナンスしているような気がしてくる。


この水墨画が意外にいい雰囲気を出している。


花たちのインパクトが強いのでにじみのある水墨画によく合う。


花に動きが出る。心が開放される。


暑い夏を思わせる花たちがみずみずしく見える。


ブルーの花が入っているので暑苦しさはない。私も思いっきり息をする。


ピンクと白と薄紫のぼかしのバックが花たちを優しく包み込む。


生花の後ろになっている側は、おとなしく落ち着いて控えめな地味な感じではあるが私は好きである。


側面の花たちは、楽しげでおしゃべりである。しきりに何かを語りかけてくる。

何百という花たちの写真を撮り続けた2日間であった。「忙中閑有り」とは、このことである。地震で片付けと掃除に追われる毎日で気の休まる暇もなかったが、この花たちのおかげで、心が休まった。どんな状況でもなにかを創っていなければ生きている実感がしない私。命を与えられたのは花たちではなくて私の方であった。

日本のサッカーチームは素晴らしかった。夜明けを見てから床に就いた。
今回は、花たちが枯れるまで撮り続けてみようと思いながら眠る。