地震で棚の上から落ちてきた包。よく見ると2011年3月11日の東日本大地震の後、原発が爆発した直後にネット通販で買ったものである。


日本の全体と各地方の立体地図が入っている。


福島の原発が爆発した時、どの様な風の向きで放射性物質がどの方向へ流れていくのか知りたかったためである。東電はきっとできるだけ事実を隠そうとすると思ったからである。


これは、「クニャマップミニ立体地図」という地図である。


立体的になっているので目線を低くして見ると実際の山並みみたいに見えるのである。
手で触ってみるのもいい。


書き込みもできる。名古屋市の富士製作所というところが作っている。


この様に懐中電灯で斜めから照らすと立体感が際立って見える。


斜めからこんな風にして放射性物質が風の向きのよって、どこに流されてどこに溜まっていくか考えたのである。


今回の広島岡山の大災害の地域をこの立体地図で見てみた。


広島から岡山に広がる吉備高原という平らな高原に大量の雨が降り続いたのである。要するに表面積が少ない高原に大雨が降ったのであるから、雨水はそのまま特殊な真砂土を含む地盤を破壊して流れていったのである。


吉備高原の裾野に広がる家々に土石流や山くずれや谷川の氾濫等が襲ったのである。


こうしてみると、険しい中国山地はもっと北の方に位置する。


この吉備高原の裾野に広がる街の今回の災害は、もっと以前から危険地域だと分かっていたのである。であるのに、更に新しく家を建てる許可を出した自治体は一体何を考えていたのか。これは自然災害ではなく人災なのではないか。今後も同じ様な災害が起きた場合、自然災害と言って済ますつもりなのか。平野部の少ない日本では新しく家をたてる場合、建物より土地のほうが高価であることが多い。それ故、開発業者は山の急斜面を造成して建売住宅や建築条件付きの売り土地を次々造り出していくが、それには地方自治体の許可を必要とする。広島県は許可すべきではなかったのである。そして、今後も気候的には大豪雨が増える傾向にあるからには、今まで安全と思われていた場所でも危険地域になるとわかっているはずである。個人の力ではどうすることもできないことをするのが自治体の役目である。

慣れ親しんで思い出の詰まった家を失うことはいかばかりのストレスであろうか。仮設住宅の2年の後に何が残っているのか。生き残った命が削られていく。