まさに人面ゴミ箱さんに出会った。「コンチワ、初めまして」
工場街の一角に置かれた自販機の横に置かれた白い2つ目のゴミ箱さんは、遠目に見ると人の顔のように見えた。
思わず近づいてよく見たら、文字テープが貼ってあるだけであったが、近くで見ても顔に見える。ゴミ箱画像のコレクターとしてはこんなゴミ箱さんに出会うと嬉しいかぎりである。
「カン」と「ペットボトル」のテープがまゆ毛で、「ビン」のテープは鼻にあたる。口は両端の耳にまで届く横にながい切れ目。ちょっとみると、人の顔よりお猿さんの顔に似ているような気もする。
ただ、理解に苦しむのは、「ビン」のテープは貼ってあるが一体ビンはどこに入れるのかという問題である。よくよく考えるに、ただ、余ったテープを貼ってあるだけではないかと思われる。
また、ゴミ箱は中でつながっているのに穴が2つあってカンとペットボトルの表示がある理由がイマイチ理解できなかったが、後で仕分けをしやすくするためではないかと考える。また、表示がなくても穴が2つなのは、大きなゴミを入れないためではないかとも思われるし、雨が吹き込まないためでもあるのではないか。いろいろと考える私であった。
白いゴミ箱さんばかりに気を取られていたが、反対側に1つ目のピンクのゴミ箱さんにも挨拶しなければと思って近づいた。
なんと可愛そうに頭蓋骨骨折ではないか。一体誰がこんなことをしたのか。今までどこかが割れたゴミ箱さんをいろいろ見てきたが、頭頂部が割れたゴミ箱さんは初めてである。
十文字に割れているところを見ると、なにか鋭利なもので思い切り叩き割ったように見える。八つ当たりでゴミ箱さんを壊したとしか思えない。ゴミ箱の持ち主さんはせめて透明の幅広テープでも貼ってあげてほしいものである。