山口県下関の「ふくのお茶漬」は何故「ふぐ」ではなく「ふく」なのか?
ふぐのお茶漬けをただいた。ふぐって味らしい味がなかったと思うのだけれど、何しろ高級感があるのですぐに食べずにとっておいたら、賞味期限が近づいてきて慌てて食べることにした。
よく見ると、「ふぐ」ではなく「ふく」と書かれてある。初めはミスプリかとおもったがあちこちに「ふく」と書かれている。
そこで、例によって検索してみると、大阪から西では昔から「ふく」と呼んでいたようで、旧厚生省が標準和名で「河豚」を「フグ」と読むと決めると、全国的に「ふぐ」という言い方が一般的になってしまったが、今でも河豚の本場の下関や北九州では「ふく」と発音している。
文献によると、もともと「河豚」は「ふくれる」という意味から「ふく」になったということであるし、世界的に見ても「河豚」は「丸く膨れた」という意味の名前がつけられている。その様に考えると、反対に何故「ふく」ではなく「ふぐ」が標準語になったのか不思議である。
「ふく」は江戸時代から「福」につながるとして縁起をかついだということであるし、「ふぐ」は「不具」「不遇」に通じるとして嫌われ、「フク」とにごらずに呼んだとも言われている。因みに、大阪では「河豚」のことを「たまに(毒に)あたる」ということなので「てっぽう」と呼ぶ。
では、なぜ「ふぐ」と呼ばれうようになったのかという理由としては「ふく」が訛って「ふぐ」となり、それが標準和名になったということである。しかし、イマイチ説得性に欠けるように思えてならない。
名前の件はこの辺にしておいて、茶漬けの味の方に注目。大層な包の中には普通のお茶漬けのもとと同じぐらいの大きさの小袋が5つはいっていた。
原材料名のトップに河豚加工品と書かれているからには、河豚がいっぱい入っているのだろうと勝手に解釈する。
袋の中身はこのとおりであるが、河豚加工品の量が一番多いという解釈がゆらぎそうになる。
結論は食べてからにということで、ご飯の上に「ふくのお茶漬」をふりかけてお湯を注ぐ。
河豚の味自体がどんなものかよくわからないせいもあるけれど、目隠しをして味を言えと言われたらまず当たらないだろうというぐらいの味わいである。まあ、普通のお茶漬けのもとのような味であった。あえていうなら、「だし茶漬けのもと」に似ているかな。ただし、この感想は私だけのものではない事をことわっておく。
(この「ふくのお茶漬」をくれた人にがこのブログを読んでいたらごめんなさい。)