GIGAZINEのOFF会のためにTシャツ用のシルクスクリーンを作ることになって昔の道具を引っ張り出した。ランプでバンと光らせてシルクスクリーンを作るプリントゴッコに始まって、業務用のデジタル式まで長ーいシルクスクリーンの歴史そのものがぞろぞろ出てきた。


最初のプリントゴッコは使い切りのランプをいっぱい必要とした。何故か外箱だけが残っている。このプリントゴッコは長男が小学校の頃くじ引きで当てたものである。当人よりもっぱら私が使っていた。


そのランプを家庭の電気で代用する新機種ができた。「名刺ごっこ」である。上のフタを押すと電気でランプがついてモノクロコピーの黒い部分が瞬時に熱せられてトナーが熱融解しスクリーン上の被膜にくっつくのであとで剥がすことができるのである。


理想科学は、名刺サイズのコンパクト版を一般向けに開発したが、使う側の人たちはこれで何回も光らせて大きなシルクスクリーンを作ってしまったのである。スクリーンマスターはロールのものを切って使っていた。


中のランプが電気で光るようになってあるので非常に使いやすい。この原理を大型にしたものがでた時はすぐに買った。


小さいものは枠にはめないで上部だけをアクリルの細い板に留めて使っていた。


ただコピーのトナーが原稿に残っていると穴が開く。その細かい穴を修正液で塞いで使っていた。


何回も光を当てるとピンホールが開くのでブルーフィルムを挟んで光を当てるように理想科学が工夫してくれた。


そうして作ったシルクスクリーンが今でもいっぱい残っている。枠木がないのでさほど嵩張らない。この名刺ごっこの原理で作られた大型の機械もあり、もちろんこれも購入した。この名刺ごっこの大きな機械はあまりに重くて今回引っ張り出すことが出来なかった。


そして、ついにデジタル式の新しいプリントゴッコがでたのである。ドットでスクリーン皮膜を熱で溶かしていくのである。


ただ大きさがハガキ大であった。


その大型のデジタル式のシルクスクリーンを作る業務用の機械が出た時はすぐに買ってしまった。

今までの苦労が嘘のようであった。モノクロのコピー原稿があれば~2分でシルクスクリーンができるのである。スクリーンのメッシュの粗さも色々ある。私が使っている機種は初期のもので価格は40万円台であったが、同じようなものが今では120万円もする。当時の株価が9000円ぐらいだったと思うので、そんなものかもしれない。この機会は理想科学のロングセラーであろう。付属の消耗品は種類も増えて今でも売られている。

説明だけを読んでも何かよくわからないと思う。実際に見て使ってみるとよく分かる。興味のある方はぜひ次回のGIGAZINEOFF会にこられて体験してみてほしい。