9月15日はGIGAZINEのOFF会・テーマの「イラスト」について考える。
次回からのGIGAZINEのOFF会は「イラストについて座談会」などの情報交換の場になるようである。
私も時々GIGAZINEに寄せられたイラストを見ることがあったが、昔と比べてあまりの様変わりに驚いている。
イラストレーターになるという人の作品を見て、これは漫画の一コマではないのかという感じを受けてしまった。
イラストは1枚の絵で物語を紡がねばならない。
絵が売れない画家たちは、挿絵を書いて収入の足しにしていたもので、私も若い頃は挿絵を描いていたものである。私の場合は、英語の副読本の挿絵が多かった。その他には図鑑の精密画も描いた。
その当時はまだ漫画調のイラストはなかったし、まして大学の美術科にイラスト科なるものもなかった。
もっとびっくりしたのは、絵の具で絵を描いたことのないイラストレーターが大勢いることである。どうして絵を描いているのかというとタブレットで描いているということである。ということは鉛筆デッサンも石膏デッサンも本格的にしたことはないということである。私もタブレットは使うが、ペンのバージョンに色んなものが出てくるが、実際に一通り使いこなしているつもりである。実際にエアブラシを使ったことがなくタブレットのみでしか使ったことがないというのが解せない。実際の鉛筆や絵の具や木炭やパステルやエアブラシに優るものはないという実感がする。
写実的なイラストを描きたいと思っている人にとって基礎勉強は欠かせない。それにも関わらず、よく見てみると、お絵かきと塗り絵に終始している人もいる。彼らの勉強は2次元のものを2次元に描き写す訓練に励んでいる。絵を描くことは3次元空間を2次元に変換することである。これは、幾何学の理論でもある。感覚だけでは行き詰まる。
1枚のイラストを描くごとに今まで曖昧にしてきたことをクリアする心構えで絵を描く人と、人気を博することのみに心血を注いできた人とでは時間の経過とともに落差ができるのは当然である。
たとえ経済的な目的のためではなく、好きでイラストを描いているような人なら尚更である。
最初の構成が出来ていないのに細部の塗り絵を始めると砂上楼閣になる。割いた時間が惜しい。少しぐらい誤魔化しても人には分からないと思っておられる方が結構おられるが、基礎勉強をしてきた人には分かるのである。
絵を描くことを自分の言葉で言語化して記録していくと随分違ってくると思う。絵を描くということは、心と技の両方を必要とするが技は99%の努力である。残りの1%は死ぬまでの課題である。