かなり以前に買った十数坪の我が家の倉庫のお隣さんのしたい放題には呆れてものも言えない。
戦争で家も消失し、登記簿も焼け、どこがどこやらわからなくなった戦後、雨後の筍のようにバラックの不法占拠が始まった。
倉庫のお隣さんもその一軒。


乗っ取った土地の上に家を目いっぱいに立て側面にベニヤで作った渡り廊下がついている。初めはよく知らなかったが、その渡り廊下は水路上に作られている。水路は地方自治体所有のもので個人が許可もないのに使用できない。水路は農業や雨水等を流すための公共物である。

その上、お隣さんが水路の上に作った渡り廊下は、一部が我が家の敷地にはみ出していることが分った。


水路は市の水道課の管理下にあるので、倉庫を建てるために市役所の水道課に行って水路上の廊下をなんとかしてほしいと訴えた。しかし、担当者は一度見に来て以来、のらりくらりとお茶を濁すばかり。工事は遅れに遅れやっと今年の12月にできることになったが、建築をしようとしてから約5年の月日が経ったことになる。
そこから浮かび上がった行政とお隣さんのいい加減さに唖然とした。


特別の規定がない公共物を「法定外公共物」といい、代表的なものとして「里道」や「水路」がある。この「里道」や「水路」は地域の共有財産であったため、明治の初めに国有財産となった。この国有の里道・水路のうち機能を有するものが、平成17年3月末までに国から各市町村に譲与され、市町村が管理(所有)することになった。ところが移譲された地方自治体は、そのための法整備もしないまま明治時代に作られた管理の条項をそのまま使っているのである。

不法占拠するお隣さんと事なかれ主義の市役所の間を行ったり来たりピンポン玉のような状態を繰り返したのである。おかげでいろんなことを勉強するはめになった。

どうして我が家はこんな不動産トラブルばかりに巻き込まれるのか。思い出すだけでも疲れるわ。(もう今日はここまで。)