消毒用エタノールの類が店頭から消えて久しいが、NET上では再び消毒用エタノールジェル(ちょっと前まで100均で売っていた)が出てきた。その中でプロパノール(イソプロピールアルコール)の消毒液がでてくる。一般にはあまり馴染みのない名前ではあるが、機械油の汚れや油性塗料の汚れ落としによく使われきた。それぐらい油を溶かす力(脱脂)が強い。しかし、プロパノールはエタノールと同類のアルコール類である。NETで詮索すると毒性が強いと書かれているので敬遠されているのだと思う。確かにエタノールに比べると中毒性や副作用が強いが、シンナーと同じように飲んだり吸入したりさえしなければよいのである。お酒の中のアルコールのエタノールでも急性アルコール中毒になって死に至るケースも有る。

健栄製薬 のサイトに詳しくイソプロパノールの消毒剤の毒性・副作用・中毒について詳しくでている。

【致死量】ヒト経口致死量(大人) 120~240mL(70%液)

【副作用】接触皮膚炎・皮膚塗擦後、皮膚炎を生じることがあり、濃厚液により脱脂による皮膚荒れ。

【少量を経口した場合】 嘔吐、悪心、心窩部痛、胃炎、血便
顔面潮紅、運動失調、めまい、頑固な頭痛、血圧低下

【大量に経口した場合】 急速な血圧低下(ショック)、低体温、時に重篤な循環不全
吐血、錯乱、麻痺
催眠作用 → 知覚消失 → 昏睡状態
代謝性アシドーシス、肝・腎障害、低血糖
吸引性肺炎
死因(呼吸中枢麻痺・心臓麻痺)

上の表はシンガポール国立環境局によるコロナウイルスに対する殺菌力の強い順に書かれた実験結果である。

1・過酸化水素水

2・塩化ベンザルコニウム

3・クロロキシレノール

4・エタノール(70%)

5・ヨウ素(50ppm)

6・イソプロパノール(50%)

7・ポピドンヨード(1%ヨウ素)

8・次亜塩素酸ナトリウム

要するに、プロパノールはベスト8に入っていることになる。ただ脱脂力が強いため手の油分をとるのでがさがさになる度合いはエタノールより強い。しかし、値段はエタノールより安いし、消毒剤として用いる場合は50%濃度でよい。
又、プロパノールには1-プロパノールと2-プロパノールがあるが消毒用に使うのは2-プロパノールである。

いっときに比べて減ったけれども、NET上では今でも売られている。