紫外線LEDが10秒で新型コロナウイルスを99%死滅させることが出来るという記事を読んで、レジン硬化用のUVライトも新型コロナウイルスを死滅させることが出来るのだと考えている人がいるようだがそれは違う。その理由は波長が違うからである。レジンの硬化波長は360nm(ナノメータ-)であるが、医療用の殺菌効果のある波長は260~285nmである。


長波紫外線LEDライトと書かれているものの波長は365~395nmである。一方、深紫外線LEDライトの波長は275nmである。「長波」は波長が長く、「深」は波長が短い。

レジン用のLEDライトで携帯用になったハンディタイプやペン型ライト等は長波紫外線LEDライトであり、殺菌効果は殆どない。勘違いすると命に関わるかもしれない。


最近になって次のような記事が出ているが、これは医療用の深紫外線LEDライトのことであり、波長は短く、275nm前後である。
10秒照射で細菌などを99.99%除去。マスク・スマホ除菌も可能なポータブルUV-C除菌器「MEDSHARK」 – Engadget 日本版

従来の医療現場の殺菌灯はUVや水銀ランプが使われる。ただUVランプは寿命が短く割れやすい。その上、2021年から国際規制「水銀に関する水俣条約」で水銀を用いた照明も製造、輸出入が禁止される事もあって、高出力の深紫外線LEDが注目され研究開発が進んできたのである。

【参考】
Ultraviolet LEDs prove effective in eliminating coronavirus from surfaces and, potentially, air and water — ScienceDaily【訳・紫外線LEDは、表面や、場合によっては空気や水からコロナウイルスを除去するのに効果的です。】ここでいう紫外線とは深紫外線LEDのことで260~285nmのは超領域を指す。