スペイン風邪と新型コロナとの状況比較
スペイン風邪は1918年から1920年に流行、新型コロナは、2019年からであるので、約100年の隔たりがある。
スペイン風邪の頃の世界の人口は、18億人から20億人で、感染者はその3分の1から4分の1で5億人、死者は約5000万人と推定される。
新型コロナの2019年の世界人口は77億人、2020年6月24日の世界の感染者943万384人 死者48万2752人 。
スペイン風邪は第一次世界大戦時に起こった人類初のパンデミックであり、当時はウイルスはまだ知られていなかったので、医学的対処法はなかった。犠牲者の多くは若い世代でサイトカインストームによると見られているが、当時の衛生事情や栄養状態は現代と比べると比較にならないほど貧弱であった。
新型コロナの現代は、100年前に比べると、医療・栄養・情報ともに発展しているとは言えど、決定的な治療薬やワクチンがなく医療崩壊を起こしている国が多数ある。100年前に比べ、人工も約4倍近く増え飛行機や大型船によって人の行き来が激しい時代である。
スペイン風邪の時代は戦時中であり、感染に関する情報は機密扱いであった。中立国のスペインのみが情報公開していた。それ故、正確な数は推定値である。又、感染の検査すら出来ない時代であった。
一方、新型コロナの現代は、情報の時代であり、感染者などのデータは把握されているが、共産圏などの国においては情報操作がなされているようである。感染の有無はPCR検査によって判定されるが、国の事情によって検査数に差がある。
スペイン風邪のウイルスは、H1N1亜型 でA型インフルエンザウイルスの亜型の一つであり、DNA型ウイルスである。
コロナウイルスのひとつで、中国南部の広東省を起源とした重症な非定型性肺炎の世界的規模の集団発生が、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)の呼称で報告された。新型コロナウイルスも同種のウイルスであり「SARS-CoV-2」と名付けられた。ウイルスの特長としては、一本鎖RNAウイルスであり、粒子の一番外側に「エンベロープ」という脂質からできた二重の膜を持っている。
感染源としては、スペイン風邪は、鳥インフルエンザと考えられている。
新型コロナウイルスは、コウモリによる感染と考えられている。
症状としては
スペイン風邪は、気管支炎、出血を伴う中程度から重度の肺胞炎、肺胞浮腫を引き起こし、現在のインフルエンザよりも30倍も早く増殖する能力を保つ。
新型コロナは、大半は無症状か軽症であるが、発症すると息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱などの症状があり、重症化すると肺炎を発症する。
100年の隔たりがあるとは言え、共通する対処法はマスクと隔離である。ただ、マスクの質はガーゼとN95の不織布マスクの違いはあるが、アベノマスクのように100年前のガーゼマスクも国から配布さることもある。
一番違うのは、現代は、100年前とは違って、TV、スマホ、PC等によって世界の状況を識ることが出来るし、科学技術が高度に発達し電子顕微鏡でウイルスを3次元でみることも出来る。