スーパーのレジの列に並んでいたおじさんの爪に呆然
スーパーのレジに間隔を開けて並んでいたら、前のおじさんの挙動が不審なのである。なんだか手をレジの係の人から隠すようにしているのである。
すぐに手を後ろに回すので、よくよく見てみたら、2メートルほど離れているのではじめは気が付かなかったが、何とおじさんの手の爪がやたらと長いのである。後ろ手に手を組むので私からはよく見える。思わずスマホで写真を撮ってしまう。
家に帰って画像をよく見てみると、爪の状態が1本ずつ違っている。きれいにラウンドカットしているものもあれば、葉で噛みちぎった爪もある。爪の形は基本的にきれいな形である。手は少し汚れているが、力仕事をしているような感じはない。爪の形を除けば普通のおじさんである。買い物の内容はビールとおかずだったように思う。
一体この人は何をしている人なのかなあと、あれこれ思いを巡らす。病気のようには見えない。元気そうであった。隠すぐらいなら、どうして彼は爪を切らないのか。きっとあの爪はおじさんにとって唯一の執着する自己愛の対象なのだろう。
世の中、普通の人なんているようでいない。ただ、外から見える人と見えない人の差だけなのだろう。
以前に、飲食店でソックスを脱いだら、ネイルアート(1本ずつ違ったネイルカラーを塗っていた)をしていた真面目そうなおじさんを見たことがある。彼はわざわざ人に見せびらかしていた。