最悪事態を考え、大阪府は、まん延予防等重点措置ではなく緊急事態宣言を。
新新型変異コロナウイルスの感染は、今年に入ってから懸念されていたことである。関西はちょっと感染者が減ったという理由で緊急事態宣言を関東よりも1週間早く解除してしまった。その結果がこれである。
今週に入り、感染者が激増した大阪は、1週間後の来週の5日から緊急事態宣言ではなく局所に限られた緩いまん延予防等重点措置をとるということである。1週間、1週間の早とちりと遅れは、今後の大阪の状況を大きく変えることであろう。政府のお言葉は「必要もないのに大阪へは行くな。」である。
為政者は、最悪の事態に備えて策をとらねばならない。そのために税金からお給料をもらっているのである。一般国民は毎日の生活に追われ最悪の事態に備える気持ちも余裕もないのが実情である。国民の代表として政治を預かる者の緊張感が足りない。為政者の怠惰は国民の命と財産を失わせるのである。実際に自らの手を汚して金品の強奪や人殺しをしないから平気なのである。吉村大阪府知事のいい加減さが毎日殺人を犯していると考えているならば、あのようにのんきな話にはならないはずである。
大阪より変異ウイルスの感染者が少ないといっている東京都は、単に変異ウイルスの検査をする体制が整っていないだけかもしれない。変異ウイルスを見つけ出すには、陽性の検体を、もう一度PCR検査し、さらに、全遺伝情報を解析する“ゲノム解析”を行う必要がある。変異ウイルスの感染者が多い鳥取県と和歌山県では、すべての検体で、これを行ったという。
変異ウイルスの検査率は、神戸市で60%で、東京は10%程度。また、神戸市では以前から、ゲノム解析を一括で行う市の研究施設と病院との間で連携する体制が整っていたためで、一方、民間の検査機関が多い東京では、神戸のように、効率よく検体を集めるシステムがないので、急に検査数が増やせないという現状がある。
このように、数字だけを眺めていただけではだめで日本全体をよく見なければならない。
例えば、府内には高齢者施設が約2万事業所あり、東京都の事業所数を約400カ所上回る。又、府内の65歳以上の高齢者の割合は27・5%、一方の東京都は23・1%。更に、大阪の3世代同居率は2・5%で東京は1・8%。このように、大阪には高齢者のコロナ感染者が増える要因は多々ある。
しかし、今回のまん延予防等重点措置は大阪府に限って言えば大阪市のみに限られているが、調べてみると、大阪市に隣接する都市でも感染者数の急な増加は見られる。時間とともに大阪市の後追いになる可能性は否定できない。大阪市を見ればすでに遅すぎるにもかかわらず、緊急事態宣言ではなくまん延予防等重点措置などという緩い措置などいまさら何を言っているのかと思う。悪い解釈をすればいつまでもコロナ感染が続いていくことを願っているのかと思うほどである。
コロナが収束すれば経済は一気に悪化するという見解もある。政治家は、自分の票と献金の心配だけをしているのだといわれてもおかしくないほどである。まん延予防等重点措置は、まん延促進等重点措置の間違いなのではないか。
為政者達は医療がひっ迫さえしなければよい、即ち、時間と手間のかかる重傷者さえ減ればよいとかんがえたらしい。高齢者を重点的に対処する方法を考えればよいのならば、高齢者ワクチン接種さえ済めば問題はないと考えていたところ、感染率が高くワクチンが利きにくい変異ウイルスが現れすべては元の木阿弥である。どんな最悪のシナリオを描いているのか教えてほしい。その最悪のシナリオの主人公は一体だれなのか。それでも、ノアの箱舟に乗れるのはだれなのか。新型コロナウイルスについていろんなことが分かっている現在では、貧富の差はそのまま感染の差である。