ラップで巻かれた上に貼ってあったシールに「黒鯛(チヌ)」と書かれてあって、初めて、チヌと黒鯛は同じ魚だと知った

大阪湾を「茅渟の海(ちぬのうみ)」と呼んでいたことから、大阪湾でよく捕れたのでチヌという名前が付いたそうである。関西以西ではチヌという魚、調べてみると黒鯛のことだった。


以下のサイトで詳しく書かれていた。チヌという名前の由来は古いのだ。

茅渟の海のクロダイ|「大阪府|全国のプライドフィッシュ|プライドフィッシュ
古くから「茅渟(チヌ)の海」と呼ばれ、好漁場として多くの魚介類が漁獲されてきた大阪湾。「茅渟の海」の由来はいくつかあり、一つは初代天皇である神武天皇の皇兄「彦五(ひこいつ)瀬(せの)命(みこと)」が戦傷を受け、その血がこの海に流れ、「血(ち)沼(ぬ)」から由来するといわれています。また、瀬戸内海から大阪湾一帯をを支配していた神様「珍彦(ちぬひこ)」<別名:神知津彦(かみしりつひこの)命(みこと)」とも、椎根津彦(しいねづひこの)命(みこと)>から由来しているともいわれています。この「茅渟の海」で獲れる代表的な魚がクロダイだったことから、チヌとも呼ばれるようになりました。」


チヌの産地は 広島県、愛媛県、愛知県、兵庫県などで、北海道以南の国内、台湾、中国、東南アジアなどの内湾の河口域などに多い魚で、浅い場所を好み淡水域まで上がってくることがある。更には、都心部の河川や、工場地帯、港湾区域など汚染にも強い魚である。汚染された水域で捕れた黒鯛を食べても大丈夫なのかしらとちょっと心配になる。


雑食性で、海藻、スイカや果物なども食べる。魚は総じて甘党なのだ。
チヌは性転換する魚として有名で、孵化すると総てが雄(オス)、15センチから25センチくらいには両性型、満2年まではオス、3歳になるとメスが現れ、その後は雌雄半数ずつでそれぞれ成熟し産卵活動をする。その後、大きくなると多くがメスに分化する。
これが人間だったらと想像すると楽しい。私も一度オスになってみたい。


今回は塩焼きにして食べることにした。加熱しても実はそれほど硬くならない。
普通の多いほど身は締まってないがふわっとして美味しい。

皮は硬めで分厚い。皮を食べるのはやめた。このチヌの切り身は大きかったからなのか、骨は取りやすかった。普通の鯛ほど鋭くて硬い骨ではないようである。


クロダイは出世魚で大きくなるにしたがって呼び名が変わる。関東では「チンチン → カイズ → クロダイ」。関西では「ババタレ → チヌ → オオスケ」。「チンチン」と「ババタレ」という名前はあまりではないか。ほかに呼びようはなかったのか。

湾内から川を上り淡水域までさかのぼることがあるので、「川鯛(かわだい)などとも呼ばれることもある。

色んなことが分かるとチヌという魚がぐっと身近に思えてくるし、味わいも少し深くなる様な気もする。