現在、大阪や兵庫では医療崩壊が起こっている。東京の感染者数も1日1000人を超えた。ワクチン接種が1パーセントにも満たない現状ではその効果はあまり期待できないと感染の専門家が言う。第一回目の緊急事態宣言以降、政府は何をやってきたのか。2兆円をかけてGOTOキャンペーンをやっただけである。PCR検査すら、自費を余儀なくされている人たちがいまだに多くいる。自宅待機のまま亡くなる人が相次ぐ現状である。

阿部内閣がやったことは科学をないがしろにして日本の根幹を骨抜きにしたことである。腐ったリンゴが日本にまん延してしまったところへコロナのパンデミックが襲ってきたのである。
人気挽回には、菅内閣は何が何でもオリンピックの旗を振りたいのである。海外では後進国並みのワクチン接種率の日本がいまだにオリンピックにしがみついている意味がが分からないと非難ゴーゴーである。

先日、菅首相はワシントンに飛んで行って親分に挨拶し、帰る前に電話でファイザーCEOと話しファイザーからのワクチン供給のめどがついたと会見するが、菅首相はたった10分間希望を述べただけ。ファイザーは確約すると公式文書にして発表をするのであるが未だにそんな発表はない。最近ではモデルナの名前が頻繁に出てくる。

ワクチンだけは大急ぎでうたねばオリンピックはできないとやっと気が付いた政府は大慌て。それとオリンピックの医療体制を何よりも優先させなければオリンピック参加国に不信感を持たれ、先進国としてのメンツ丸つぶれである。


そこで政府は、大会組織委員会がアスリートなどを受け入れる大会の指定病院を30か所程度確保する方向で調整を進めている。オリンピックの指定病院は都内に10か所程度、都外に20か所程度、確保したいということである。


大会期間中は24時間態勢で選手村には新型コロナに対応する発熱外来や検査ラボを設置運営する方針だということであるが、この医療支える医療スタッフは何としても必要である。そこで、オリンピック組織委員会は、日本看護協会に500人の看護師の確保を依頼しているという。

しかし、今の日本にそんな余裕はあるのだろうか。感染力が強く重症化しやすい変異ウイルスが登場してコロナ感染者数は日ごとに増えている。医療現場は疲弊している。看護師の70%が仕事を辞めたいと思うほど疲労困憊している。

このオリンピックの医療要請のことを聞いた看護師は「今の切迫した医療現場にそんな余裕はない。」と言い切る。

医療崩壊はコロナ感染者を入院させることができないだけではなく、今までしていた手術や集中医療ができないということである。交通事故にあっても手術ができないのである。癌だと分かっても入院も手術もできない。特権階級の与党議員はコロナに感染しても至れり尽くせりの医療を受けることができるが一般ピープルはそうはいかない。


オリンピックが政府のごり押しで開催されれば、国内では入院できない感染者が自宅待機のまま亡くなる事態が続出するかもしれないのだ。

オリンピックを無観客でやれば2兆円の損失、中止すれば4兆円の損失と言われる。オリンピック開催国になるために一体いくらの裏金を使ったのであろうか。国内的にもオリンピックの利権がらみでいろいろ取引したのでなければこれほど固執はしないはず。

オリンピックの意義は忘れ去られ、国勢のの張り合いと大企業の広告塔と化してしまったオリンピックはもうそろそろやめなければならないのではないか。コロナが落ち着くまでには何年もかかるという専門家もいる。これからも感染症は地球規模で起こる。アスリートの方々は個別に開く世界大会だけでは満足してもらえないのだろうか。

オリンピックを開催するか中止するかの判断は医療従事者の判断に任せてみたらどうか。結論は誰にでも分かるはずと私は思うのであるが。