厚労省の5月12日の発表資料によると、ワクチン接種後の死亡事例の報告は39件。、重いアレルギー反応であるアナフィラキシーについては、接種開始から5月2日までの約382万回の接種中664件。日本のアナフィラキシー報告は欧米に比べて多いとの指摘もある。この数の多さは単に日本人が強弱で神経質だという感覚的な要因によるものだけであろうか。


私は薬で副作用が出たことが何回かあった。それで思ったことであるが、大柄な男性も私のように小柄な女性も同じ量の薬を飲むとすれば、小柄な人の場合は、薬の摂取量が多すぎるのではないかということである。


ファイザーのワクチンの場合、3週間隔で30㎍(マイクログラム)を2回接種する。

日本人成人の平均体重は男性約70kg、女性は約50kgで、 アメリカ人は男性約90kg、女性約75kgであり、50キロの人も90キロの人とも同じ量のワクチンを接種している。

これは普通の人なら抱く疑問である。ファイザー製のワクチンの副反応は、投与量とどのような関係があるのか、臨床試験のためにボランティアを10㎍、20㎍、30㎍に振り分け、副反応の頻度を比較したのである。

その結果、18~55歳に対する2回目接種で発熱が生じた頻度は、それぞれ0%、8%、17%だし、倦怠感は33%、58%、75%、悪寒は8%、42%、58%である。コロナワクチンの副反応は、高齢者は若年者よりも軽微だ。65~85歳に対する2回目接種では、10㎍、20㎍、30㎍投与群での発熱は、それぞれ0%、0%、8%だ。倦怠感は17%、50%、42%、悪寒は17%、8%、17%である。

結論として、副反応と接種量の間には、年齢差よりも、用量に大きく依存していることがわかる。小柄な日本人は大柄な欧米人の約3割から5割増位の量のワクチンを接種して過剰投与になっている可能性がある。副反応の原因は個々人の体質の差にもあろうが、その一因として体重差というはっきり目に見える数値で捉えることもできるのではないか。

市販のほとんど副作用のない薬でも使用量の規定がある。まして副反応の大きなコロナワクチンの接種量が均一だというのは、余りにおおざっぱ過ぎないのか。1回目の接種で副反応が大きく出た人は2回目の摂取量は控えめにする様なことはできないのか。きっとワクチン接種がこんなに遅れている現状では無理なのだろう。しかし、新型コロナのパンデミックが始まってから1年以上も経っているのである。