スーパーや100均のマスクコーナーに行くといろんなマスクが売られている。去年の今頃はマスク不足の話題で持ち切りだった。
コロナのパンデミックが始まって以来、一番変わったのがマスクコーナーではないだろうか。


ウイルスの飛沫防止効果よりフッション性の方にウエイトが置かれたマスクに人気が集まっている。去年はマスク不足から手作りのマスクが話題になっていたが、1年たった今では現在ではいかにセンスが良いかを見せるようなマスクがもてはやされ、ウレタンマスクの人気は衰えない。

昨年の年末12月にスーパーコンピューター「富岳」によるマスク素材ごとの飛沫防止効果のシミュレーションが発表され、感染していればウイルスを他者にうつす可能性のある「吐き出し飛沫量」のカットは、不織布マスクで約80%、ウレタンマスクは約50%。うつされるかもしれない「吸い込み飛沫量」は、不織布が約70%、ウレタンは約30~40%というけっかになった。


国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長の西村秀一医師によれば、
・「ウレタンマスクの素材である「ポリウレタン」は、5um(マイクロメートル)以下の粒子だと除去率1%以下。ほぼ効果がないことがわかります。ウレタンマスクはスカ
  スカ。」
・「不織布マスクは一番小さい0.3~0.5umで90.8%、最大の5.0以上の粒子は99.1%の除去率が確認された。医療従事者がつけるN95や医療用サージカルマスクはそれ以上
  に高い値で、一般の生活圏では、不織布マスクで十分機能する。」
・「布(ガーゼやポリエステル)マスクは、10~20%台の除去率」


上はウレタンマスクの裏側からLEDの懐中電灯をぴったり当ててスマホの2倍倍率で画像を撮ったもの。光が点々と漏れているのが肉眼でも分かる。


きめの細かい布マスク(4重かさね)。思いのほか光の漏れは少ない。


ポリプロピレンでできたN95のマスク。肉眼では光の漏れる点々は見えない。ぎっしりとポリプロピレンの細い繊維が密集しているのが分かる。

この懐中電灯の光に透かしてマスクのスカスカ具合を見るというのは、アバウトではあるが簡易見分け法としてはいいかもしれない。ただし条件は一定にするように。

兎に角ウレタンマスクはカッコづけばかりのスッカスカマスクで、今現在がパンデミックの非常事態の状態にあるという危機感がゼロであるということを宣伝しながら歩いているようなものだから、少しでも自尊心があるのならおやめになった方がいいと思う。