熱中症とペットボトル症候群について。
熱中症の3大要素は、気温が高い事、水分不足、体調が悪い事の3つである。
体内の水分量の5%を失うと頭痛などの症状が、10%を失うと筋肉のけいれんや循環不全などの症状が起こり、20%を失うと死に至ることもあるといわれる。
必要な水分摂取量は、体重によって変わってくるが、体重1キロ当たり30CCを目安にすればよいということである。体重が60キロブラムならが摂取すべき水分は30×60で1800CCということになる。しかし気を付けなくてはいけないことはこの水分を一気に飲んでも効果はない。一気に飲むと体も一時にそんなに大量の水を必要としないので余分な水分は尿として排出してしまうからである。水分は何回分にも分け少しづつ摂取しなければならない。また、カフェインを含んだ飲料を飲むと摂取すべき水分以上の排尿を促すことになるので注意しなければならない。又、汗と一緒にミネラルや塩分も一緒に排出されるので体液のバランスを保つためにこれらの成分も補う必要がある。
そこで手軽にこれらの条件を満たす熱中対策水とかスポーツドリンクを飲むこととなるのである。
「喉が渇いたときにスポーツドリンクを多量に飲むと、スポーツドリンクに含まれる糖により血糖値が上昇する。血糖値の上昇は喉の渇きを促進させる作用があり、そこで水代わりのようにスポーツドリンクを飲み続ける結果となり、さらに血糖値が上がり、喉が渇く、という悪循環を引き起こしていく。」ということである。
「糖質ゼロ」や「糖質控え目」などの表示がされている食品でも実際には全く糖が入っていないわけではない。消費者庁より定められている栄養強調表示では「糖質ゼロ」は100mlあたり0.5g未満、「糖質控え目」は100mlあたり2.5g未満であれば表示してよいとされているので注意しなければならない。
ペットボトル500mlに換算すると糖質オフでも最大2.5g、糖質控え目は最大12.5g糖分が含まれていることがある。
砂糖の代わりに人工甘味料を入れているスポーツドリンクも多いが、甘い物を摂取したという刺激に体が反応して体の機能サイクルが損なわれる可能性もあるという。人工甘味料のスポーツドリンク長期間にわたって飲み続けるのは体にとって好ましくないようである。
ペットボトル症候群とは、スポーツドリンク、ジュースや甘い炭酸飲料水など糖が含まれる飲料を多量に飲んだことで起こる病気で、正式名称は「ソフトドリンクケトーシス」という。
熱中対策水とか、経口補水液の類は、飲みやすいように砂糖で甘みを付けている。
WHO(世界保健機関)では、糖の摂取量を1日の摂取カロリーの10%未満にするよう推奨しており、5%未満に保てば健康効果が増大すると発表している。1日の摂取カロリーが2000キロカロリーとすると、10%ならば200キロカロリーである。
この熱中対策水は、熱量147キロカロリーと書かれているが、これは砂糖のカロリーである。1日の砂糖摂取量が200キロカロリーだとするとこの熱中対策水1本で7割の砂糖許容量をとってしまったということになる。
ペットボトル症候群は、一般的に10~30代の若い男性が多く、糖尿病などの既往がなくとも発症することが特徴とされている。発病まではいかなくても糖尿病予備軍となっている場合もある。外回りの仕事やスポーツをしている人は、ペットボトル症候群によって倦怠感を抱いているのに、熱中症と勘違いしてさらにスポーツドリンクを飲んで悪化させることも多々ある。
「甘い炭酸飲料水や清涼飲料水には一般的に500mlのペットボトルでおよそ30~50gの糖が含まれているとされ、スポーツドリンクでは20~30g以上、コーラでは50g以上ともなり、角砂糖に置き換えると約15個分にもなる。経口補水液でも10g前後の糖が含まれる。10%程度の糖分を含む清涼飲料水を、1日1.5L以上、また1カ月以上連続で飲むと、ペットボトル症候群のリスクが上がると言われている。」ということを認識すれば、昔の人が言うように夏場は塩を一つまみ入れた麦茶が一番と言ことになる。
自家製のスポーツドリンクを作るのもお薦めである。
麦茶1リットルに塩3グラムを加えると出来上がり。レモン汁かビタミンCを加えると更に良い。さわやかで安心な熱中対策水ができる。