世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナに関してはウイルスを含んだエアロゾルの吸入による空気感染だと明記している。しかし、厚生労働省のは、新型コロナの感染経路として、くしゃみなどの「飛沫(ひまつ)感染」や、「接触感染」によると説明し、空気感染を否定している。しかし、WHOは、内閣官房、厚労省や文部科学省に送付して新型コロナウイルスが空気感染によるものだとし、今後の感染防止対策なども通達した。

コロナウイルスに感染してPCR検査で陽性になった人の中には、どこで感染したのか心当たりがないという場合が多々あるが、これらも空気感染だと考えると説明がつく。


空気感染は、ウイルスを含む微細な粒子「エアロゾル」を吸い込むことで感染することをいう。エアロゾルの大きさは5マイクロメートル(0.005ミリ)以下とされ、長時間、空気中をただよう。換気されていない状況では,2 m以上離れていたとしても,滞在時間が長くなればなるほど感染リスクも高くなる.また,エアロゾル粒子の幾つかは,床は勿論,人体表面に付着し.接触感染にも繋がる可能性もある。
このコロナウイルスのエアゾルは、たばこの煙に例えることができる。煙草の粒子は,コロナウイルスを含むエアロゾル粒子と同程度であると考えられるからである.離れていても煙草の匂いを感じるということは、鼻の中にウイルスが着地した可能性があると考えられる。
従って,ソーシャルディスタンスの2 mという距離は,必ずしも十分とは言えない.


WHOの声明は、空気感染が新型コロナの「主たる感染経路と考えられるようになっている」と指摘。「従来言われているような2メートルの距離が離れていても感染リスクはあり、逆に空気中のエアロゾルの量を減らすような対策で感染抑制ができる」と注意を喚起した。

・ウレタン製や布製のものよりも隙間のない不織布マスクなどの着用徹底の周知
・換気装置や空気清浄機などを正しく活用するための情報の周知

要するに、コロナウイルスの空気中の濃度が問題となってくる。エアコンで空気をかき回しても同じ空気が循環するだけならただウイルス濃度が濃くなるだけである。エアコンは室内の空気を外へ排気するタイプでなければ意味がないのである。室内の換気が最も大切なのである。空気の吸入口と排気口は部屋の対角線上にあることが望ましく、吸入口は狭く小さく下方に、排気扇は大きく上部にというのが効果的である。ウイルスは目に見えないがたばこの煙は少しは見える。煙草の煙で実験してみるのもいいかもしれない。