ワクチン接種を拒む人の理由はいろいろであるが、宗教的な立場でワクチン忌避をする人には何を言っても駄目なような気がするが、そのような理由でない人の場合は根気良くワクチンを嫌がる理由を聞く必要がある。然るに医者の問診には時間的に根気よく聞くだけの余裕がない。周りの人が時間をかけて聞いてあげなくてはならない。


ワクチン忌避の一つは、注射が怖いというのがある。成人男子が注射で気分が悪くなったり、ひどいときは失神したりするのを実際に見ると、何か他の病気かと思ってしまうが、そうではなく注射への恐怖が引き金となってそうなるのである。
WHO では,2020 年 1 月に「接種ストレス関連反応(ISRR:immunizationstress-relatedresponses)」という概念を提唱するに至った.
この接種ストレス関連反応は思春期成人に多いが、一般には子供から成人にもみられる。これに対処する方法としては、
【日本産婦人科医会 研修ノート「No.106 思春期のケア 4.思春期の予防接種と接種ストレス関連反応」】のサイトに詳しく書かれているので是非参考にするといい。


もう一つは、漠然とした不安からワクチンを忌避する場合である。社会全般に対する不信感と不安から、漠然とした恐怖によりワクチン接種を拒むのであるが、要は、はっきりとワクチンがいかなるものかという理解の欠如によるものである。
この場合は周りの信頼されている人から懇切丁寧に繰り返し説明されると納得する場合が多い。ワクチン接種の必要性の理由として、「ワクチン接種によってたとえコロナにかかっても軽症ですむし、重症になることはない。」というのが一番いいらしい。


ワクチン接種は、一つは、自分のためであるが、もう一つは、社会のため家族のため友人のためでもある。感染症対策のためのワクチンの役割を、「自分のため、人のため、社会のためのワクチン接種」と繰り返し報道する必要がある。しかし、テレビでは副反応のニュースが多すぎてプラス面のことは省略されることが多い。

「マスク、手洗い、三密を避ける」というキャッチコピーは浸透したけれど。ワクチン接種のキャッチコピーがないのは残念である。