真夜中の救急車・コロナだったのか。
かなり前、夜中の1時ごろ寝ようとカーテンを閉めるために近づいたら外がやたらと赤い光に照らされていた。窓を開けてみたら何と救急車がランプを点滅したまま止まっていたのである。サイレンの音も聞こえたようには思えなかったので、きっと家の人が通りまで迎えに行ったのだろう。
どうしたのかと思って見ていても誰もいないし、何の動きもない。
玄関前に担架が放置されたままである。時間が遅いこともあって誰もいない。
玄関は開けたままでほったらかしである。好奇心旺盛な私はそれでも見続けていた。1時間近く何の動きもなかった。
やっと、救急隊員が出てきてぐったりした人を担架に縛って運んで行った。運ばれているのはご主人である。この方は医者だったと思う。救急車に乗せられた後、奥さんは玄関を占めて、そそくさと家の中に入ってしまった。その後自動車で後を追う気配もない。あくる日にでも聞いてみようと思ったが、家の動きはなく、いつも車に乗ってお勤めに行っている奥さんもずっと家にいる様子。学校に行っている娘さんも出てくる気配はない。兎に角それ以後はシーンである。
未だに玄関掃除をしている奥さんを見かけることはない。一体どうしたのか。救急車が1時間もじっとしているのも変だ。
一つだけ、コロナの場合ならありそうである。救急車のサイレンをすぐにやめてもらったこと。外での無線通信のやり取りをやめて、室内でやっていたこと。深夜だと近所に響き渡るからだ。
家族も濃厚接触者として自宅待機になっているので全く家から出てこなかったのか。身内の人も誰も来なかった。
コロナにかかると近所に知られまいと隠そうとするらしい。この一連の不可解な救急車の動きは、コロナ患者の搬送だと思えば納得できる。
私も2回ほど救急車に乗ったことがある。2回とも日中だったので通りかかった人が勝手に救急車を呼んだもので、自分で医者に行くと言ったのに無理やり救急車に乗せられて恥ずかしかった。もし、コロナに感染して救急車を呼ぶような場合、やはり大騒ぎをしたくないのは人情である。
奥さんにはこれからも何も聞かないでおこう。いつか言いたくなるまで待つことにしよう。