この2年でカラスの鳴き声が少なくなってきて、遂に今週は一度も聞かなかった。(カラスの知識まとめ)
近頃カラスの鳴き声を余りに聞かなくなった。新型コロナに感染したのかと思って調べてみたが鳥類は非感染種らしい。あと考えられるは、生ごみが減ったからという原因が考えられる。この際カラスについて再度調べてまとめてみた。
カラスは目がよく人間の5倍と言われており夜目もきくし、色も3原色と紫外線領域が見えるが、虹の7色は14色にも見えているそうである。その上知能が高く、人の顔を覚えたり、言語も40種類ほどあると言われている。その他の習性としては、共食いをすることである。
以前きいた話では、おばあさんが家の前の道路にからすの死骸が放置してあったのでそれを片付けていたらからすが襲ってきたという。その後も、カラスはおばあさんを見つけると襲ってきたので、帽子を被ったり日傘をさしたりして防衛することが続いたらしい。カラスの記憶は1年ぐらいは保たれるということであるから恐ろしい。更には、カラスは自分に危害を与える人物の顔を認識するばかりか、それを仲間にも伝える能力があることが分かった。カラスが人を襲う場合、武器となるのは足と嘴を使って背後から頭や背中を狙うということである。ただ、ヒチコックの映画「鳥」の様に集団で襲うことはないと言われている。
私は、ほとんど自宅のアトリエで制作しているので、唯一外界への関心はカラスの鳴き声である。いつの間にか、カラスの鳴き声を真似するようになり、カラスとコンタクトできる?ようになった。そのせいで、近頃カラスの鳴き声を聞かないのが気になって仕方ない。
日本で日常的に見られるカラスは、留鳥のハシブトガラスとハシボソガラスの2種である。都心に暮らすのは主にハシブトカラスで。、実や昆虫、小動物を食べるが、油揚げやフライドポテトなど油脂を多く含む食材も好む。毎日水浴びを欠かさず、明け方から日中にかけて餌を取り、夜は公園や神社のねぐらに集まる習性がある。天敵は、オオタカなどの猛禽類である。繁殖期は4~7月ごろで4、5個程度の卵を産む。巣は木の枝や針金のハンガー、プラスティックなどを用いて作り、この子育て時期に巣に近づくと危険である。
尚、巣立ち後も2–3ヶ月程度は家族で群れを組んで生活し、成鳥はつがいでほぼ一年中固定された縄張りを持つが、若鳥は群れで行動する。
繁殖中のつがいは巣の周辺でねぐらをとることが多いが、それ以外の個体は夜間人が立ち入ることのないよく茂った林や竹林に集団ねぐらをとる。
住宅街でよく見かけるのは、大型のハシブトカラスで、くちばしが太く、上部がアーチのようにカーブし頭部が盛り上がっていて、両足でピョンピョン跳ねるように歩く。屋根や電線の上など、高いところに止まっていることが多く「カァー」「クワァー」と澄んだ声で、濁りのないきれいな声で鳴く。
田舎に住んでいるのは小柄なハシボソガラスで、もともと人里に住んでいたのを大きなハシブトガラスに生息地を奪われたのである。このハシボソガラスは、頭部の段差が少なくなだらかで、くちばしは細く、人間のように足を左右交互に出して歩く。鳴き声は濁ったガラガラ声である。
カラスの知能は人間の7歳児に匹敵すると言われ、40語以上の鳴き声を駆使して会話をしているらしい。その上、鳴き声から個体認識もしているということである。7歳児であれば小学1~2年生であるから、当然である。鳥だと思ってバカにしてはいけない。
・「カァー、カァー、カァー……」とゆったり鳴くときは、遠くへ飛んでいく際に仲間とはぐれないように合図を出しています。
・「カカカ」と短く鳴くときは、巣に獲物を持ち帰ったときの食事の合図
・「カァッ、カァッ、カァッ……」「クワックワックワッ」と断続的に鳴くのは、縄張りを主張しているときの鳴き声です。朝によく聞く鳴き声で、自分の縄張りに異常がないか、仲間と確認しあっています。縄張りは数十メートルにも及ぶ。
・「アァ、アァ、アァ、アァ」と濁った声で鳴く 仲間の居場所を確認
・「カアアーカアアー」と鳴く 弱い警戒警報(仲間以外のカラスや、人、猫などの外敵に警戒する合図)
・「ガァガァガァガァ」と鳴く 強い警戒警報(繁殖期などでカラスの巣に外敵が近づいたときの合図)
・「アホ―」と、人間の耳には聞こえる鳴き声を発しているとき、連続しているならこれはおそらく仲間を先導したりするときの合図。
・「カッカッカッ」という短い鳴き声を発しているとき、カラスは仲間の注意を引いている。短く鳴いているときには興奮状態ということ。
・カラスが夜に鳴いている場合には、興奮状態であると考えられる。
・「ガァガァガァ」という鳴き声は、臨戦態勢の状態
その他に、「はまよん」「おはよう」「およよ」など、人間の言葉に聞こえるものもある。
【連続する鳴き声の数】
連続音としては10を越える(場合によっては20以上)こともあるが、多すぎるものは数自体の意味はなさそうである。
単調な鳴き方と声色や抑揚がついたものでは回数が同じでも意味合いが異なる。人間でも声の調子で意味合いが変わるのと同じ。
8回 集合か全体行動の合図
7回 連続音としては頻度が少ない。 リーダーが発する合図。
6回 危険。 敵がいる。
5回 警戒(カー)、危険、逃げろ、全体行動の掛け声?(高低抑揚あり)
4回 警戒(カー)、威嚇(ガア)、食物(カカカカ)
3回 位置表示(カー)、安全・満足(カァ)、威嚇(ガア)
2回 強調、注意喚起、空腹(グワァ)
1回 挨拶
・アー カァ ・・・安心、満足
・カー カア ・・・標準モード
・ガー ガア ギャー・・・威嚇、攻撃
・カッ クワッ ・・・ナワバリ侵入への威嚇
・グワッ グワァ 空腹
・カカカカ 餌だ(個体により違う反応もある)
・カァー甘えた響く声×6→カッ(高い音) 求愛のようなもの
よく聞いていると、カェー、アォ、オィ、ヨォの様にあいまい音が混じり抑揚も違う。
まずはカラスの声を真似ることから学ばなければならない。
鳴き声の中にこもった感情というものがある。
特に疑問に思う時の不安げな声は聞いていておかしい。
これほど、知能の高い鳥たちと日常的に接する機会の多い人類はもっと彼らの鳴き声に耳を傾けるべきではないか。
現在、知能の高い動物として、猫とカラスがあげられているが、彼らはお互いの言葉を理解できるのだろうか。
知能が高い面が狡猾(こうかつ)な印象を与えたり、食性の一面である腐肉食や黒い羽毛が死を連想させたりすることから、様々な物語における悪魔や魔女の使い(使い魔)や化身のように、悪や不吉の象徴として描かれることが多い。その逆に、神話・伝説にあるように、古来から世界各地で「太陽の使い」や「神の使い」として崇められて生き物でもある。これは古代の世界各地において、朝日や夕日など太陽に向かって飛んでいるように見えるカラスの姿を目にした当時の人々が、この性質を太陽と結びつけた結果神聖視されるようになったという説がある。
視力が高く、見分ける知能もあるということから「炯眼」「慧眼」とされ、神話や伝承において斥候や走駆や密偵や偵察の役目を持つ位置付けで描かれることも多い。
日本の伝承・俗信では、古来、カラスは霊魂を運ぶ霊鳥とされていた。カラスは古来、吉兆を示す鳥であったことから、太陽の黒点はヤタガラスであり、ヤタガラスが太陽を動かしていると信じられていた「太陽信仰」や、日本神話の神武東征で、熊野に上陸して大和国へ向かう神武天皇を三本足の「八咫烏(やたがらす)」が松明を掲げ導いたと伝わる。この言い伝えから、八咫烏やカラスは家紋としても利用されている。
【カラスの言葉を使った慣用句】
・烏の行水(はや風呂)
・烏の足跡(目じりのしわ)
・烏の髪(黒髪のこと)
・濡烏・烏の濡れ羽色(しっとりと濡れたような黒髪)
・闇夜の烏(見分けがつかない)
・三羽烏(三人組のたとえ)
・烏合の衆(統制の取れない集団)
参考【東京都のカラスが20年で三分の一以下になった。】
都心のカラス、20年で3分の1以下に…生息数とゴミの量連動「人間のふるまいが翻弄」 : 読売新聞オンライン
『「各店が蓋付きゴミ箱を導入し、午前2時から回収する今は、カラスを見なくなったという。
都心のカラスは80年代から増え、2000年前後が最も多かった。都には01年度、「ゴミを散らかす」「鳴き声がうるさい」「襲われて怖い」など計3754件の苦情が寄せられ、社会問題化した。
都は01年9月、石原慎太郎知事(当時)の号令で「カラス対策プロジェクトチーム」を発足。都内40か所の大きいねぐらを調べ、計約3万6400羽の生息を確認した。
餌となるゴミの早朝収集を自治体に呼びかけるとともに、わなによる駆除を開始。杉並区が中身の見えにくい黄色い袋を導入したり、企業がカラスが嫌う激辛成分を塗った袋を販売したりもした。
カラスは昔から多かったわけではない。都が1973~78年に行った調査では、都心で大規模繁殖は確認されておらず、「素行の悪さ」も問題になっていなかった。
研究者らでつくる「都市鳥研究会」は明治神宮(渋谷区)、豊島岡墓地(文京区)、国立科学博物館付属自然教育園(港区)で、5年ごとに生息数を調べている。85年の初調査は6737羽で、90年は約1・6倍(1万863羽)になった。
この増加と連動するのが、ゴミの量だ。「東京都清掃事業百年史」によると、23区の85年度の回収量は約397万トンだったが、90年度には約2割増(約480万トン)になった。
同研究会の唐沢孝一さん(78)は「経済成長に伴い、都心の路上に大量の食べ残しが生ゴミとして出された。カラスが食べ放題だったので繁殖した」と分析する。
「東京二十三区清掃一部事務組合」によると、90年代から、飲食店を含む事業系ゴミの有料化の影響などで徐々にゴミの量が減った。2001年度は約352万トンだったが、20年度は約255万トンになった。
カラスもゴミの量と連動するように減少。都が対策を始めた01年度と比べ、05年度はほぼ半減(約1万7900羽)し、20年度は約7割減(約1万1000羽)になった。
防鳥ネットや蓋付きゴミ箱が普及し、「食べられるゴミ」も減った。今後、対策が徹底されれば生息数はさらに減るとみられる。カラスは小動物の死骸を食べたり、食べた植物の種をフンとして遠くに運んだりする。極端に減れば、路上が不衛生になり、生態系に影響を及ぼす恐れもある。
20年以上カラスを研究する東京大総合研究博物館の松原始・特任准教授(52)は指摘する。「カラスはたくさんのゴミを野放図に出せば増え、マナーを守れば減る。人間のふるまいに 翻弄 されているとも言えます」』
生息数とゴミの量連動するとしたら、コロナで外食産業が減少し、更には食品の値上げなどによって生ごみの量が減れば、この2年でカラスの数が減ったとしてもおかしくはない。一方、反対にコロナで住宅街のカラスが増えたという記事もあったが、よく見るとゴミにネットがかぶされていない。例え被せていてもすその方がが開きっぱなしである。ネットでゴミをきちんと包み込んでカラスがゴミを引っ張り出せないようにしておかねばならない。わが町ではゴミ袋には徹底的にネットを被せているのでカラスはゴミをあされない。ゴミ漁りをできないカラスたちはネットの被せていない町へ移住したのか。カラスの数が減ればそれほど人間に憎まれなくても済む。兎に角、わが町では真夜中の鳴き声を聞くことはまれになってきた。カラスたちは夜中に早起きして騒ぐほどの嬉しいことがなくなってきたのかも。それとも生ごみの少ない町は見放されたのかな。えさを求めて一体どこに行ったのか。気になって仕方ないのは私だけなのか。
【追記】
どうしてもカラスがうるさくて遠ざけたい時は、からすの「カァッ、カァッ、カァッ……」「クワックワックワッ」と断続的に鳴く声を真似て鳴けば、縄張りを主張しているときの鳴き声なので、毎日続けるとカラスは余り近づいてこなくなる。ただ、この時は、カーテンの物陰に隠れて行うこと。カラスは賢いので直ぐに見破る。それと、効果がない時はカラスの声に似ていない時である。
この方法以外では、オオタカの羽を広げた2メートル前後の絵を描いて本物らしく羽がバタバタするように時間を決めて家の外に出しておくと良い。我が家の場合アンテナにカラスがとまるのでオオタカの絵のビニール製の凧を買ってきてそばに置いたら、カラスは来なくなった。この時もこまめに場所を少しづつ変えながら出し入れを繰り返した。その後アンテナの位置を変えて、下の方にCDの円盤を何個かぶら下げた。7歳児の知脳を持つカラスを説得するのはなかなか骨が折れる。人間の子がサンタクロースは偽物だと気づくのもこのころである。