知人が毎日不織布のマスクをつけて勤めに出ていたら、マスクと接触している部分が炎症した挙句にぶつぶつまで出てきて困り、布製マスクに変えたという。しかし、よく見れば、ウレタンマスクである。彼女が言うのには、薬局でこれは布製マスクで顔によくフィットしていいと言われたという。薬局にいる人がすべて薬剤師ではないにしてもこれはヒドイ。


マスクに使われている化学繊維は、ポリプロピレンの不織布、立体マスクのウレタンマスク(これは隙間だらけでマスクとして役に立たない)、マスクのインナーフィルターに使われるポリエステルで、チクチクする順番は、ウレタン、ポリプロピレン、ポリエステル。中には特殊加工している化学繊維もあるのでこれはもう少しソフトである。

上の不織布の顕微鏡写真を見れば、台所で使う化学タワシに似ていると思う。このミニ版で顔をこすれば、肌の弱い人は炎症を起こすのは当たり前。その上気温が高くなると、マスクの中は蒸れて呼気と相まって雑菌の温床となる。ぶつぶつも出来るというものである。特に化粧をしている人は、一日に何回も顔を洗うことはない。


そこで最もいいのが木綿のガーゼマスクであるが、これだけではウイルスの防御効果は劣る。不織布マスクの内側のインナーマスクとして使うのが良い。シルクはあくまで動物性なのでアレルギーを起こす人もあるし、意外とチクチクもする。何度も水洗いしたものは肌触りが良い。兎に角コットンが安くて安心である。


木綿の成分構成は次の通りで、さすが天然物は違うという気がする。
・セルロース 91.00%
・水 7.85%
・原形質、ペクチン 0.55%
・蝋、脂質 0.40%
・ミネラル、塩 0.20%


木綿の良さは次の通りである。

・ 肌触りが良い。
・ 吸水性が良い。
・ 熱に強くて丈夫。
・アルカリに強い。
・水に濡れることで強度が増し洗濯に強くなる。
・ 発色性に優れている。
・吸湿性が良い。
・通気性が良く涼しい。
・厚手にすれば温かい。
価格が安価なものが多い。


シルクはつるつるだというのは思い込みである。生のままのシルクは、表面は意外とザラザラである。ウォシャブル過去を施したシルクはつるつるである。
クリニックのサイトにマスクの肌荒れについて書かれているが、誰も繊維自体の構造について調べてみようとしないのはどうしてかと疑問に思う。


木綿のシーツの古くなったものを切って不織布マスクの内側にあてがうのもいいが、ずれてくるのが難点。
そこで思い出したのが、木綿のガーゼマスク「アベノマスク」である。


スプレーガンを使う時の防塵マスクのインナーマスクに使うために、100枚ほどアベノマスクを申し込んだら、忘れた頃に送られてきた。


私の知人には10枚ほど分けてあげた。雑菌がついていたという話もあったので洗ってから使うように言った。何しろただなのだから文句の言いようがない。しかし、このアベノマスクは税金の塊ではある。


余談ではあるが、ダイソウに行ったら、アベノマスクによく似たガーゼマスクが2枚100円で売られていた。
無料配布しても、まだ、30万枚余ったということであるので、ダイソウに買ってもらったらいかがかな。