「お買い得品」のラベルが貼ってあると、思わず目が引き寄せられる。それも珍しいものならなおさらである。
今回は「クエ」とだけ書かれたお買い得品である。確か、クエというのは高級魚だったはず。そのあらなら美味しいはずと思って買って帰る。


ところが家に帰ってパックを開けて仰天。何か口からずっと繋がっているではないか。これはあらではなくて内臓なんだと分かったが、気持ちが悪くて固まってしまった。兎に角、部分に分けようと思うがなかなか切れない。そこでキッチンバサミできると思いの外楽に切れた。しかし、手は脂でべとべと。食欲の湧く感触ではない。


このエラのついた歯の部分は捨てようと思ったが、わざわざ入れてあるところを見るとひょっとして食べられるということか。手を洗ってNET検索してみたら、なんとこのヒラヒラのえらの部分を血抜きしてから揚げにすれば美味しいと書かれてある。何しろ初めて食べる部位であるので、検索に約1時間ぐらいかかってしまった。


これはすぐ分かった。肝臓である。ホイル焼にするらしい。


これは心臓かなと思ったが、胃であった。裏返してよく洗い茹でてポン酢で食べるとコリコリして美味しいらしい。


これこそ、身だと思ったが、内臓脂肪だということであるが、さっとゆでてポン酢でいただくとトロットしていて極旨らしい。クエの旨みを凝縮したようなものらしい。


エラは、塩水に浸して血抜きをしようとするがなかなかできない。


血抜きをする間に、他の部位を熱湯でゆでる。ものすごく油が浮いてくる。


茹で上がり。じっと見ていたら、食欲が失せていく。


覚悟を決めて小さく切ったものを、おろしポン酢で恐る恐る食べてみる。何という美味。マグロのトロより美味しい。これは癖になるわ。お皿に盛りつけたものは息子達に食べさせるとあっという間になくなった。


肝臓のホイル焼きは、無事に焼けたが、何を付けて食べるが迷った。


生姜醤油で食べたが、息子の意見では、塩だけであっさり食べた方が美味しいのではないかということであった。


最後に血抜きしたエラを多めの油で焼くことにした。このエラは切り離すのが大変だったが、まず大きいままで焼いて後は引きちぎるとカンタンにばらばらになった。


上二つはエラのついた部分で、下の二つはエラを食べた後の歯の部分。血抜きを急いだので、いつもより多めに塩を入れたために、結構塩味が付いていて何もかけなくてもそのままで食べても結構いけた。ただすごく美味しいかというと普通である。

このクエの内臓の横に、クエの皮なるものが置いてあったが、ウロコまで付いていたので買わなかった。これもから揚げにするとおいしいということである。

クエという魚は、98%が食べられるということである。さぞかし、食べられる魚も本望であろう。

クエの内臓と大格闘した1日であった。