暇だったので、認知症テストを受けてみた。後から不安に襲われる羽目に。
内科のクリニックに行ったが、次に予約した人がキャンセルして時間が空いたので、私が興味津々に見ていた机の上に置かれた認知症テストを受けてみてはと先生に言われた。サービスなのでまあいいかと思って受けてみることにした。
近頃はこういうソフトがあるのだなあと妙に感心する。なんでも珍しいものを見ると手を出してみたくなる私。
12個の単語を絵付きで見せてくれるので、絵を見せられた段階ではそれを順番通りに覚えていなくてはならないと思い必死で集中して覚えた。しかし実際には、絵を覚えた後で、表示された名前のものがあったかどうかを「はい」と「いいえ」で答えるだけでいいので拍子抜けがしてしまった。気が緩んだとたんに、何となくみんな忘れてしまったような気分になってたじろいた。しかし、始まってみるとなんということはなかったし、それ以降も普通の知能テストよりも易しいものばかりであった。まだまだ認知症にはならないのだと思って帰ったが、ふとした弾みにど忘れすると、ギクッとしてこの認知症テストのことがよみがえってきて気分が悪い。あんなテストを受けるのじゃなかったと後悔する。
同じ検査をするのなら、脳自体の機能について検査すべきであった。
・形態画像検査:MRIやCTを行い、脳の萎縮や脳梗塞、脳出血や脳腫瘍など、脳の疾病がないかどうかを評価する。
・機能画像検査:SPECT検査やPET検査で脳の血流や代謝を見て、脳の活動について評価する。
しかし、これはこれで決定的で怖い。何しろ認知症は治るということがない。アルツハイマーは認知症の一種であり約60%を占める。
そのアルツハイマーについては、2018年10月19日に公開された最新の研究論文によると、ヘルペスウイルスがアルツハイマー病の原因となっていることを示す強力な証拠が発見されたということである。しかし、安全かつ効果的な抗ウイルス薬を投与することで、アルツハイマー病患者を治療できる可能性や、アルツハイマー病の予防接種を行えるようになる可能性もあらしい。
更に、NET中を調べていると、現在ではその方面の研究が進み、対処の仕方はあるという。
山根 一彦著「認知症にならない最高の習慣」によると初期の認知症ならなんとかできるということである。
この本は、Dale Bredesen 教授(神経変性疾患の世界的権威)が開発したリコード法(認知症への対処法)のわかりやすいガイドブックといえるらしい。
同教授は、脳内に蓄積した「アミロイドβ」は、認知症をひきおこす原因ではなく、むしろ、脳を「異物から守る防御物質」である事をつきとめたそうである。
リコード法は、アミロイドβが増えすぎる「根本原因を無くす」ための方法で、すでにその効果は初期の認知症において実証済みだそうである。
具体的には、
(ア)糖質制限 (甘いものを食べない、GI値の高い食事をやめる、等)
(イ)ケトフレックス (12時間の絶食時間をつくる、etc)、
(ウ)適切な運動
(エ)十分な睡眠 (睡眠時間が短いと、アミロイドβが排出されにくくなる)
(オ)歯の十分なケア (歯周病菌が、アミロイドβ増加の遠因となる)
(カ)カビの無い環境で暮らすこと (黒カビ等も、アミロイドβ増加の遠因となる)
私には、何だかもはや手遅れかと思わせる事項が多い過ぎる気もする。が、絶望的な気分だけは消えたようである。