えべっさんは9日「宵えびす」、10日「本えびす」、11日「残り福」
9日の宵宮になると近くの神社から、「商売繁盛、笹もってこい。」の掛け声がにぎやかに聞こえてくる。本恵比寿は1月10日(10日恵比寿とうかえびす)であるが、1日前の9日は宵えびす、11日は残り福である。関西では「恵比寿様」とは言わないで「えべっさん」という。
「えべっさん」は日本の神様で、七福神の中では唯一の日本古来の福の神(その他はインドまたは中国由来)であり、 古くから漁業の神でもあり、さらには商売繁盛の神ともされている。恵比寿様は釣竿を持って鯛を抱いた姿で表されることが多い。
商売繁盛のえべっさんでは、恵比寿様と同時に大黒様も飾られる場合が多い。
この仮面は随分前の100均で買ったものであるが、左側が漁師の帽子をかぶった恵比寿様で、右側が打ち出の小づちと大きな袋を担いで米俵の上に乗った大黒天である。
顔だけの場合見分けが難しい。
この二つの仮面はプラスティックではなく厚紙で型どりし石膏で固めたもので、現在の100均ではもうお目にかかれない代物である。
兵庫県の西宮で生まれた私はえべっさんと言えば西宮恵比寿であり、境内に並んだ見世物小屋をのぞいて回るのが何よりも楽しみであった。
大黒天(だいこくてん)は、ヒンドゥー教のシヴァ神の異名であり、これが仏教に取り入れられたものであり、大自在天の化身ともいわれ、大国主命と神仏習合したものである。 大地を掌握する神様(農業)でもある。 大きな袋を背負い、打出小槌をもち、頭巾をかぶった姿で財宝、福徳開運の神様として信仰されている。
毎年初詣に行く仏教寺院では境内に大黒天が祭られていて、神仏習合の典型である。
福をかき集める熊手には、恵比寿様と大黒天が一緒に並べられているのが普通である。
この木彫の仮面も大黒天と思われる。
要するに商売繁盛にあやかれる神様なら何でもありなのである。おおらかなえべっさんである。
今日は11日の残り福である。「余り物に福有り」と11日に駆け込むのである。