色鮮やかな魚達が町の空を泳ぐ幻影を夢想する。
夕焼けや朝焼けの空を眺めては、スマホで写真を撮っている。
この空に私の作った魚達を泳がしてみたいと思うようになったが、実際にやってみるとなかなか思うようにいかない。
実写の風景と造り物の魚たちの調和がとりにくい。明度や彩度の調節や大きさのバランスに苦労した。
リビングのベランダから見た朝焼けの空に魚達が泳ぎ来る幻想である。
朝日を食べようとしている巨大な魚。
迷子になった子供の魚をやっと見つけたお母さん魚。かなりプンプン丸。
朝日を見つけて驚いている魚。もしこれがリアルなら驚くのは、口を開けて驚いている魚を見ている人間の方である。
空飛ぶ巨大で鮮やかな魚は、私の網膜の奥をを悠々と泳ぎ回る。
ホログラムの転写箔で作られている実際の魚達は画像以上に七色に輝いて変化に富む。この七色に光り輝く魚達は光の方向に対し色んな色の反射を見せる。2次元でありながら3次元の錯覚を覚える。