火曜日は雪が降るというので、病院に行く予定も止めて空を見上げているけれど、カンカラ晴レのいい天気で遠くに黒い雲の塊が見えるばかり。ただ風はものすごく強くてベランダのものを吹き飛ばしている。


コトバンクによると、「狐の嫁入り」とは「夜中に、山野で狐火が連なっているさま。狐が嫁入りする行列の提灯と見たてていう。また、日が照っているのに小雨が降ること」とある。では、雪が降ると言うのに天気で日が照っているのを何というのだろうか。
色々考えた結果、「狐の雪ダルマ」というのはどうであろうか。北の雪国では、雪が積もらないことを願っているが、雪が余り降らない地方では、楽しみに待っている。狐だろうがタヌキだろうが何でもいいから、北国に降る雪を、一時南の地方に降らしておくれ。


例え降ったとしても、大阪に降る雪は粉雪ではなくて牡丹雪でありべた雪である。大きな雪が降りながら溶けているようなもので地面に届くや否や溶けてしまう。だから、雪だるまを何とか作っても汚れているか溶けていびつである。こんな大阪だから、雪にあこがれるのだ。コロナがなければ雪国に出かけるのだが。
その結果、毎日白いヨーグルトをかけたリンゴを食べて雪国を夢想する。想像の中の雪は、限りなく美しく雪かきの苦労もない。ただ一度、丹後半島の帰りに交通止めにあって車の中で何時間も立ち往生した時は、雪を呪った。もう一つは雪解け道で車に泥水をかけられた時で、本当に泣きそうになった。現実の雪は、人間の生活に対しては厳しい試練をもたらすものである。
それでも冬になると雪の作品をせっせと作っている私である。


と、ブログを書いて、ぶつぶつ言いながら夕食の準備をして食事をしようとしてウエザーニュースを見たら、なんだか雪が降っているようで慌ててベランダに出てみるとベランダの手すりに雪が積もっているではないか。狐につままれたような気分。


大喜びで、早速プラケースにフライパン返しでベランダの手すりの雪を集める。勿論、雪だるまを作るためである。


ところがふわふわもこもこの雪で少しでも力が加わるとその部分がへこんでしまう。都会に降る雪は根性なしの雪である。それでも何とか雪だるまらしきものを作って記念撮影。大満足。


狭い中庭の植木にも雪が積もっている。感激しながら溶けないうちに写真を撮っておこうと必死でスマホを振りかざす。


ところが、瞬く間に雪が降ってきて私は雪まみれになり、手はかじかんでしびれてくる。


それでもこんな機会はそうあるものではないと思って写真を撮り続ける。頭も服も雪でびちょびちょ。
もうこれ以上手が動かなくなって諦めて家に入る。


ふっと台所に置いた雪だるまを見ると無残にも溶けてちぢこまっていた。

ウエザーニュースによれば又もうすぐ雪が降り始めるそうである。もうひと踏ん張りしてみようかな。

その後4時ごろまで粘っていたが雪は一時ちらちらしただけなので、もう寝ることにした。