毎年冬になって、生の柿がなくなると干し柿を買う。父は二日酔いには柿が効くというのが口癖であった。関西では干し柿と言えば奈良ということになり、「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺(正岡子規)」である。今でも奈良に行くと干し柿を使った和菓子のお土産が多い。


今年はあちこちの店で、枝付きのつるし柿を見かける。紐に10個の柿がぶら下がっている。こんな吊るし柿は、郊外ではよく見かけるが店頭で実際に買うのは初めてである。吊るしてあるのがわら縄ではなくビニールのロープなのはちょっと残念ではあるが。


ロープにつるされていた干し柿はぶら下げて持ち帰るのかと思ったが、紙袋に入れてくれた。


自宅に帰ってよく見ると、T字型の枝を2本の縄の間に差し込んで吊るしてある。
後で聞いたのだけれど、食いしん坊の息子はこの枝の部分をかじってみたら、甘かったということである。柿の枝が甘いとは初めて知った。


柿の効能はいろいろあるが、何と言ってもタンニンを含み、このタンニンは二日酔いの素のアセトアルデヒドを体外へ排出する効果がある。しかし、このタンニンは鉄分の吸収を阻害する作用があるので、レバーやホウレン草と一緒に食べることは控えた方が良いということである。

また、柿はビタミンCやビタミンA(活性酸素を減らす「抗酸化作用」のあるβカロチン)、カリウム(余分な塩分を水分と一緒に体の外に排出)を含む。更には、便秘解消に役立つ食物繊維も豊富である。


干し柿のカロリーは100gあたり274cal、糖類は58.7gである。干し柿1個あたりだと約100㎉ぐらいなので、1日に食べる量としては1日1個が適量と思われる。調べる前はこんな柿のカロリーなんて考えたこともないので2~3個を一度に食べることもあった。なんでも調べてみるものである。