秋の終わりに、通りの広葉樹は枝をつんつんに刈られて幹だけにされてしまった。近づくと芽が出てきているのが見える。しかし遠目には瘤のような黒い幹だけが生き物のように踊っているようである。この通りを車で病院に通うたびに、不思議な形の樹木の幹を思わず見上げてしまう。


これなんか太い枝から色んな生き物が生まれ出てきたようで想像力を刺激する。
いつかこの絵を水墨画で描いてみたい。


やはり一番はこの太い樹が偶然に創り出した生き物たちである。人のようなシルエットやクマやキリンの頭のような形もある。

太陽が沈んで人通りだ途絶えると、樹の上からゾロゾロ降りてきて近くの桜通りへ繰り出して春の宴を開くのである。


この二人なんか、ピカソのゲルニカを思わせる。


この奇妙な樹からは這い出てきた生き物たち。なんか思わず目を描きこみたくなった。


こうなら面白いと思うように目を描きこんでみた。白い点だけでも生き物たちの正体の形がその姿を現す。


子どものモンスターが群れているところなんて可愛い。


この樹木人は、ひょっとすればピカソを超えているかもしれない。


ほんの1~2点描き込むだけで、彼らはその正体を現して闇の国から這い出して来る。

部屋の壁紙やお風呂のシミ、お皿に残るソースの残りなんかに目を凝らすと、生き物たちが隠れているのが分かる。


この扇面は、そのようなイマジネーションで描いたものである。