毎日近所のネパールレストランでランチをする知り合いがいる。お得意さんだというのでレストランのマスターがお菓子をくれたそうである。我が家にもその一部をおすそ分けにくれた。

息子の話だとこのキャンディのようなものは誰も欲しがらなかったそうで最後に我が家に回って来たということである。まあ、しかし、ネパールのお菓子なんて貰うこともないので、一度ぐらいは試食してみてもいいかということで有り難く貰っておいた。


このお菓子の袋の表にはチョコレートキャンディらしきことが書かれていたが、チョコなんて1滴も入っていない。見た目はすこぶる悪い。カチンコチンに乾燥した何かの糞のようであるが、ネパールレストランのマスターは、これをわざわざNET通販で取り寄せているらしい。きっと味は良いのだろう。
このお菓子はプスタカリという名前で、NETで調べると次のように書かれている。
「プスタカリはネパールのキャンディーで糖蜜から作られ、ギー、ミルクで調理され、ココナッツ、ナツメヤシまたはナッツがトッピングされます。カトマンズの盆地では、ネワール族の菓子職人がそれを準備する技術を洗練させており、ネパール バサでは「ポスティカン」として知られています。」
「ギー」というのは、インドを中心とした南アジアで古くから作られてきたバターオイルの一種の乳脂肪分で、無塩発酵バターを煮詰めて、水分やタンパク質、糖分などを取り除いた高純度のオイルで、脂質の中でも現代人に不足しがちな必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸を含み、奇跡のオイルとも呼ばれている。


袋の上から見るとすりごま入りの黒飴の様に見える。しかし、この飴は奇跡のオイルを含んだ尊い飴なのである。


袋から出してよく見ると、練ったものを手切りした素朴なお菓子のようである。特に香りらしきものもない。


この岩石のような飴の様なものを、息子と一緒に口の中に入れた。そこからが大変。堅くて噛めない。舐めてもそう簡単には溶けない。気の短い私はそれでも頑張ってかみ砕こうとしたが全く歯が立たない。ネパールの人はこれをどのようにして食べているのだろうか。がちがちやっているうちに少し柔らくなって食べることができたが、あくる日、朝起きたらインプラントを入れた歯茎が痛くてええっと思ったが、よく考えてみたら、あの岩石飴を無理してガチガチかんだからだと気づいた。ウン十万円のインプラントの歯が折れたら、どうしてくれるんだ。恐ろしい飴である。

この飴はひょっとすると世界一硬い飴ではないのかと思った。ギネス記録物かもしれない。

ところで、味はどうかと言うと、美味しいというほどではないが今まで食べたことのない味である。余りの硬さで味わう余裕などなかったというのが実情である。