銀行のワンタイムパスワードを生成するトークンが更新されることになって古いトークンを破棄しないでとっておいた。

トークンとは、ユーザーがオンラインで取引する際、本人認証として使用されるもので、銀行やpayシステムなどキャッシュレス決済、証券取引、オンラインゲームのログイン時など、アカウントのセキュリティが重要視される場合に使用される場合が多い。

トークンはパスワードを生成するボタンを押すと、ワンタイムパスワードが発行される仕組みである。トークンの液晶画面にパスワードが表示されるが、一定時間が経過すると消える仕掛けになっている。毎回新たなパスワードが生成されるため、利用するたびに異なる文字列が表示される。

ハードウェアトークンには、カードやUSBなどワンタイムパスワードを生成できる専用機器には、以下の代表的な3種類のものがある。

■キーホルダータイプ
持ち運びしやすいキーホルダータイプ。ボタン1つでワンタイムパスワードの発行や確認ができる。
■カードタイプ
財布やカード入れなどで携帯できるカードタイプ。ボタンは1つのものとキーパッドタイプがある。
■USBタイプ
USBタイプのトークン。USBケーブルを接続すると認証できるタイプと、ワンタイムパスワード生成機能をもつタイプがある。


「トークンの中ってどうなっているのかな」と、私がぶつぶつ言っていると、息子は私がいじくりまわしていた銀行のトークンを取り上げて自分の部屋に行ってしまった。しばらくするとがわが剥ぎ取られたトークンを机に上に置いて、説明を始めた。

右端が液晶画面でここに一回限りの数字が表示される。


この目玉模様の物がカードのボタンに対応している。このボタンの裏に伝導体が付いていて、押すとスイッチがオンになる。


裏を返すとこのような電子回路がある。液晶画面のすぐ下のくし形の部分は液晶のフレキシブルケーブルである。黒い部分は、ずれ防止テープである。


銀色の大きな円盤状の物は、リチウムバッテリーである。その斜め上の小さな黒い円状の物はCPUで、上から黒くシールドをしてチップの番号が見れないようにしている。

左上端の4個の小さい長方形の部分はスイッチである。

その下の小さな6個の丸い部分はテスト用端子で製造前にデバックするのに使用される。

以上が、私が知りえた説明であるが、半分ぐらいよく分からない。それでもいつの間にか少しづつ見慣れてくるようにはなった。この息子に理科や数学を教えたのは私であるが、今や立場が逆転してしまった。何度もきくと「バカ、アホ」を連呼するので、適当に相槌を打って分かったような顔をしてごまかしている。

何しろ私たちは真空管やブラウン管の時代であり、プリント基板の様なものはなかった。それでも基本原理は同じようなものである。ただ昔なら想像できない程超小型化していることである。家電が壊れた場合、一般人では理解できない電子部品ユニットが故障しているのでこれを取り替えますと言われても何も分からなくてただ唯々諾々とするよりほかはないが、我が家の場合は、息子が修理に来た電気屋に張り付いて質問攻めにした挙句、故障の個所が違うと指摘したことは数回あった。そこまで出来るようになるのに息子が電子機器を何でも分解するので困った時期があった。今はもっぱら故障部分を直したり改造したりしている。