「十二支」とはもともと、年月や時刻、方位を計るために用いられたもので、「辰」という字も「草木の形が整った状態」を表しているとされている。したがって、本来、「辰」という字には「竜/龍」のような「ドラゴン」という意味は含まない。
「辰」は「十二支」のひとつであり、シンボルとして「竜/龍」があてがわれているに過ぎない。

「龍」という漢字を簡略化したものが「竜」だと考えがちであるが、「竜」は古字であり、使用された歴史は「竜」のほうが古いとされている。
「竜」という字の成り立ちは「頭に冠をかぶる大蛇をかたどった象形文字」と言われ、紀元前に存在した古代中国の王朝「殷(いん)」の時代には既に使用されていたようである。
その後、「竜」という字に色々な装飾や模様が加えられて「龍」という字になったという。

日本では戦後、国語改革が行われ、難しい漢字や画数が多い漢字を簡略化することになった。
その一環で「龍」という字も、「竜」へ簡略化され、同時に「竜」が常用漢字として登録されたといういきさつがある。


蛇は古来から脱皮する動物としてその生命力があがめられてきたが、大蛇は最終的に龍に変身して天に上るという伝説が広く流布し、世界中で物語として語られたのは周知のことである。


大蛇が脱皮して龍にになるという変身劇は、現代流行の「転生」という概念にも通じるものがあって面白い。現代の民話である。


大蛇は脱皮すると角が生え背中には鱗が並び、タカの様な鋭い爪の生えた手足も出来る。


更に、しっぽの先には立派な尾ができる。


上の図は、平成22年にカレンダーの裏に私が初めて描いた一筆龍である。背中のうろこは省略した。何しろ空想上の生物なのでどのように描こうが構わないのではないかと考えて楽な方を採用した。