台所に写った「1」の字に初めて気が付いた。この日の一瞬にしか見えないのだろうと思うと、一体どこからの光だと探してみようという気になった。しかし、今まで全く気が付かなかった。31年間一度も気が付かなかったという事の方が驚異である。

どうもこの出窓からの光のようであるが、形が合わない。

手前のタオルが一部光を遮っているのは分かるが、どうしてあんな細い縦線ができるのか全く分からない。
息子も不思議がって手をかざしてどうなっているのか探し回るが、理解に苦しんでいた。
親子して朝の忙しい時間をああでもないこうでもないと手をかざしてすったかもんだかやっていた。
この様子を事情を知らない人だ見れば、奇々怪々の親子であろう。

やっとわかったのであるが、目隠しのシートの縁が1センチ余り足らなかったので隙間が空いていたのである。そこから朝日がさして「1」の字に光っていたのである。

振り返ると、「1」の字は崩れてこんな形になっていた。きっと1年の2月の早朝のほんの一時にしか見えない光りの形なのだろう。
しかし、出窓の前の木を切ったからこそ光がさしてこんな形を映し出したのだろう。色んな偶然が重なって映し出された「1」の奇跡の文字であると、親子で有り難がっていた。