2024年の最後の「なごり雪」。雪女は名残雪と共に消えていくのである。

私は名残雪を知らない。見たことがない。
だから、余計に美化してしまうのだろうか。
いつか北国へと思っているうちに、病で倒れひとりでは行けなくなってしまった。
そんな私のために、名残雪の舞を舞ってほしいという願いをかなえてくれるのは、舞扇と能面である。


雪月花は、名残雪なのだと勝手に決めつける。
雪と月と桜の組み合わせは日本だけのなごり雪。


雪女も、最後の名残雪と共に去ってゆく。
その時に雪女が舞うのは、「名残雪」。


「名残雪」の舞いは、夜にしか見ることができない。
明るい日差しは、名残雪を溶かしてしまう。
かろうじて春になってもふる雪は、気温が零下になる夜である。
それも、奥深い山に降る。
雪女はその雪を黒髪に積もらせて舞いながら、春の最後の名残雪と共に消えていく。

あれこれ想像しながら作っていく「名残雪」。
作った絵だけはいつまでも消えることはない。
何か後ろめたい。