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ウツボが魚屋さんに並べられていた。小さいほうが1197円、大きいほうが1758円。小さい方を買った人がいたので、ウツボについて訪ねてみたところ色々教えてくれた。その人の実家は漁師町なのでよく食べたこと。煮付けにして食べると美味しい。他に刺し身や唐揚げでもいいが、皮の部分が特にコラーゲンたっぷりで美味しい。等など。自宅に帰ってネット検索してみたら、高知県、長崎の五島列島、和歌山県などでうつぼ料理が食べられるそうである。

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海遊館で見たあの恐ろしげなウツボ。生命力がものすごく強いらしい。表皮が濡れていれば30分位ぐらい皮膚呼吸もするので陸上へ上がってくる。
天敵らしきものはいないらしいが、たまに、タコやイセエビに返り討ちにあって食べられることもあるそうな。

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うなぎの仲間である。それ故、蒲焼きにしても美味しいが、硬い骨がびっしりあって骨を取るのが難しい。それ故、鱧(はも)のように骨切りが必要なので一般の家庭では捌き切れないのが難点らしい。うつぼの骨取りは特許になっている。

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ウツボの恐ろしいのは、見た目だけではない。口の中にもう一つ口があって、外側の口で噛み付き、喉の奥の方からもう一つ歯のついた顎が飛び出てきて胃の中に引っ張り込む仕組みになっている。まるでエイリアン。

うつぼは、死んでしまうと味が落ちるので、穫れるとすぐに氷水につけて仮死状態にするのが理想だそうである。しかし、魚屋のウツボはとっくに昇天していた。

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調理しますと書かれてあったので捌いてもらうことにしたが、その過程を撮影させていただくことにした。なんと大きなまな板。まず、たわしでゴシゴシとよく洗う。

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頭を切り落とす。

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お腹を裂く。

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皮が硬そう。

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内蔵を除去する。

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ウツボの肉質はは白身で淡白な味だそうである。

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水洗いして掃除する。

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尾の先まで開く。

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背骨の横に切れ目を入れる。

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背骨と半身を分ける。

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この切り目を入れたりするのがあまりに早くて何をしているのかよくわからない位である。

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反対側にも切れ目を入れていく。

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骨の両脇に切れ目が入って、身が背骨の両側に開いた状態になる。

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背骨の下に包丁を入れて骨を取り除く。

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やっと身だけになった。

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両端のヒレの部分は骨が多くて食べられない。

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両端を取り除く。

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やっと身だけになった。

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縦半分に切り分ける。

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2枚の切り身になった。

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小骨が多いので鱧のように骨切りをする。

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骨切りの早いこと。

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あっという間に尾の部分にまで達する。

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半身を3等分にする。

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残りの半身も3等分にする。

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発泡スチロールのトレイに入れて出来上がり。この間なんと5分あまり。ものすごい勢いと早さ。

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皮の部分を除いたらまるで骨切りされた鱧の切り身。

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煮付けにするために、小さく切る。やはり皮は切りにくい。包丁はよく研いでおくこと。

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(撮影するとは思っていなかったのでコンロ周りは見てはいけない。)片手鍋に醤油、みりん、生姜を入れて煮立ったら切り身を入れる。

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あっという間に縮んで行く。余り焚かないほうがいいかも。

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残りの半身は油で焼くことにする。

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少し大きめに切る.皮から切ったほうが切りやすい。

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熱したフライパンに油引いて皮を下面にして焼く。

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塩コショウをする。

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油で焼いたウツボの美味しいこと。あっさりしていてコクがある。特に皮の部分が美味しい。

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煮付けも美味しい。鱧より上である。ウツボがこんなに美味しいなんて思いもしなかった。

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この断面を見てほしい。皮の部分にコラーゲンの厚い層がある。これがほんとうに美味しい。特に臭みもなく淡白な味であるがコクもある。
冥土の土産に一生に一度は食べたい魚の一つである。

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