P2070313
抽象画なんて難しいと思う必要はない。これほど簡単なものはない。そして楽しい。

ストレス発散にはピッタリである。この作品は、下地に箔の残った切れ端をいい加減に貼って、その上から絵の具をぽたぽた落としただけのもの。しかし、隙間からホログラムの箔が見えて、ポロックの作品をも凌ぐ風情である。弟子の一人はこの作品に味をしめて、その後も同じような作品を次々と作り続けた。

Img0108
墨で描いた上に、粘着性のバインダーを点々と落とし、乾いたらそこへ色箔を詰める。

Img0095
これは墨書きの上にドレッシングチュウブに入れたドロドロの水性粘着剤を振りまいて乾かし、その乾いた粘着剤の上にホログラムの箔シートを転写したものである。この作品は、とても好評であった。

写実的に描く基礎勉強をしなかった人には、抽象画がお薦めである。面白いことには、このような抽象画のほうが、描いた人の気持ちがストレートに伝わってくる。構図がどうの色がどうのと言って、こねくり回した抽象画は気分が重い。描き手の喜怒哀楽の情動は、筆のタッチに現れる。その日のバイオリズムのバロメーターになり得る。

関連記事
KEISUI ART STUDIO | 抽象画の楽しさ
KEISUI ART STUDIO | 抽象画としてポロック風・点々・マチエールを作る。